ピアノの練習に欠かせないメトロノーム。
正確なテンポが確認できるだけでなく、演奏技術のレベルアップにも役立つ、大変優れたアイテムです。
しかし、使い方によっては、表情に乏しく淡々としたピアノ演奏になってしまうことも。
そこで今回は、メトロノームの使い方や必要性について詳しく解説します。
おすすめのピアノ用メトロノームもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ピアノ用メトロノームとは
メトロノームは、テンポを正しく示す器械で、ピアノを練習する際、楽曲のテンポを正確に合わせるために使用します。
1812年にオランダのヴィンケルによって発明されました。
現在普及しているメトロノームは、1816年にドイツ人メルツェルが改良したもので、「メトロノーム」という名称も彼の名に由来しています。
メトロノームの速度指示を作曲にはじめて用いたのは、ベートーヴェンとチェルニーで、特にベートーヴェンは好んで使用しました。
メトロノームはピアノの練習には必要性の高いアイテムで、古くからある振り子式メトロノームをはじめ、持ち運びに便利な電子式メトロノームなど種類も豊富です。
ピアノ用メトロノームを使うメリット
正しいテンポで弾けるようになる
テンポは楽曲の重要な構成要素です。
作曲者が速度標語やメトロノーム記号でテンポを示しているにもかかわらず、演奏者がそれを無視して演奏してしまうと、楽曲のイメージが大きく変わってしまいます。
楽譜に指示されている速度にメトロノームをセットして練習を重ねることで、正しいテンポで演奏することができるようになります。
テンポの揺れを修正できる
最初から最後まで同じテンポで弾いているつもりでも、得意なところは速く、苦手な部分は遅くなど、自分の都合の良い弾き方をしていることがあります。
メトロノームは一定の速度でリズムを刻んでくれるので、メトロノームに合わせて演奏してみると、テンポの揺れを簡単にチェックすることができます。
リズム感の向上
メトロノームを使うと、リズム感が身に付くというメリットもあります。
リズム感がない、リズム感が悪い、などと言いますが、リズム感はトレーニングで身に付けることができます。
メトロノームの音に合わせて手を叩いたり、足でステップを踏んだりするなど、体を使ってリズムをとってみるのもおすすめです。
聴いていて心地よい演奏には、リズム感も大切な要素になりますので、ぜひ取り入れてみてください。
ピアノ用メトロノームを使うデメリット
淡々とした演奏になる
メトロノームに合わせて弾く練習ばかりしていると、単調な弾き方になってしまいます。
表情に乏しく淡々とした演奏では、聴いている人の心に届きません。
楽譜には速度標語のほかにも、強弱記号や音楽用語が指示されていますので、それらも意識する必要があるのです。
正しいテンポで弾けているかをメトロノームで確認したあとは、感情豊かに演奏する練習も忘れずに。
ピアノ用メトロノームの選び方
タイプで選ぶ
振り子式メトロノーム
ゼンマイで動く振り子式メトロノームは、昔から変わらない伝統的なメトロノームです。
昔ながらのオルゴールと同じように、ゼンマイの動力を使うので、電池交換の必要はありません。
ピアノの練習用であれば、「振り子式」をおすすめします。
なぜなら、音だけでなく、揺れる振り子の動きを見ることで、目でもテンポを確認することができるからです。
使い方もシンプルなので、誰でも簡単に操作することができます。
電子式メトロノーム
電子式メトロノームは、小型なので携帯に便利で、置き場所に困らないのが特徴です。
楽譜に挟んで使えるクリップタイプや、ボリューム調整ができるものなど多彩な製品の中から自分に合った種類を選べます。
LEDライト搭載タイプなら、ライトの点滅を目で見てテンポを確かめることができるので、ピアノ用メトロノームとしても使い勝手がよいでしょう。
音で選ぶ
ピアノを弾きながらメトロノームの音を聴くことになるので、その音が自分にとって心地よいと思えるかどうかもメトロノーム選びのポイントになります。
メトロノームの音にストレスを感じてしまうと、集中してピアノを練習することができません。
振り子式メトロノームの場合、音の種類や大きさは変更できませんが、電子式メトロノームの中には音色やボリュームを調整できるタイプもあります。
もし事前に音を聞くことが可能であれば、購入前にチェックしておくとよいでしょう。
サイズや色で選ぶ
ピアノの上に設置して使う振り子式メトロノームの中には、カラーバリエーションが豊富な製品もあります。
ピアノの色や部屋のインテリアに合わせて、メトロノームの色を選んでみるのも素敵です。
落ち着いた部屋の雰囲気には、木目調のクラシカルな外観のメトロノームがマッチします。
一方、持ち運んで使うことが多い場合は、携帯に便利なサイズの電子式メトロノームがおすすめです。
ピアノ用メトロノームおすすめ10選
ピアノ用メトロノームの使い方
正しい譜読み
メトロノームは、譜読みの段階から使えます。
ピアノを弾く前に、メトロノームの拍に合わせて楽譜を読んでみましょう。
この段階で、音符の長さやリズムを把握して曲のイメージをつかんでおけば、実際にピアノに向かって譜読みをする際の時間短縮につながります。
指定の速度よりもゆっくりしたテンポに設定して、正確に譜読みができているのかを確認することが大切です。
正確なテンポの確認
ピアノ用メトロノームの最も一般的な使い方は、正確なテンポの確認です。
メトロノームに合わせて弾くことで、無意識に遅くなったり、急に速くなったりしている箇所がわかり、テンポの崩れを修正することができます。
また、ある程度弾けるようになると、ついテンポアップしてしまいがちですが、そんなときにもメトロノームを使って、正しいテンポを保ちながら演奏することを心掛けましょう。
演奏技術のレベルアップ
メトロノームはピアノのテクニック向上にも使えます。
たとえば、難易度の高いスピード感のある曲を弾く場合、まずは、確実に弾けるテンポ設定からはじめて、それが満足に弾けるようになったら少しずつテンポを上げていくのです。
ポイントは、速くなったと自分では気づかないくらいの範囲で「徐々に」テンポを上げていくこと。
これを繰り返すことで、最終的に速く弾けるようになります。
ピアノ用メトロノームの代用品は?
ピアノ用メトロノームの代わりとして使えるのが、メトロノームのスマートフォンアプリです。
アプリによって機能はさまざまですが、振り子式や点滅式など、視覚でテンポを刻めるアプリならピアノの練習用にも適しています。
スマートフォンさえあれば、いつでもどこでも手軽に使用できるのがポイントです。
まずは無料で利用できるアプリを選んで、音色や画面の見やすさなどを確認してみるとよいでしょう。
まとめ
ピアノ用メトロノームには、さまざまな種類があり、好みに合わせて選ぶことができます。
テンポの確認だけでなく、ピアノ演奏技術のレベルアップも期待できる大変便利なアイテムですので、今回ご紹介した内容を参考に、自分のピアノ練習に適したメトロノームを見つけてみてください。
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