フルートは澄んだ美しい音色が特徴ですが、その存在を知らない人がほとんどいないくらいポピュラーな楽器の1つです。
通常は、銀メッキや総銀などで作られている楽器ですが、現在『クリスタルフルート』と呼ばれるガラス製のフルートが人気があります。
そこで今回は、人気上昇中のおすすめの『クリスタルフルート』をご紹介していきますので、これからクリスタルフルートを始める方や購入を検討している方はぜひ参考にしてください。
クリスタルフルートとは
クリスタルフルートとは、ガラス製の筒にトーンホール(穴)があいた横笛で1972年にアメリカで制作されました。
制作者である、ジェイムズ・A・ホール氏は、演奏家や科学の教師になるか迷っていたところで、このクリスタルフルートを作りました。
ガラス製のフルートを制作することで、演奏家と科学教師の両方の欲求を満たすことにしたと言われています。
通常のフルートは、金属製の筒に開いた穴にキィと呼ばれる蓋があり、それを抑えることで音が変わりますが、クリスタルフルートは、キィは無く直接指でトーンホールを抑えて演奏します。
トーンホールは全部で6穴あり、左右の手の指でそれぞれの穴を押さえます。
クリスタルフルートが難しいといわれる理由
ここからは、クリスタルフルートの演奏が難しいといわれる理由について説明します。
通常のフルートである、コンサートフルートとはとつくりが異なるため、演奏の際はさまざまな注意点があります。
1つずつ、クリスタルフルートの難しい点をチェックしていきましょう。
穴を自分の指で押さえきれないことがある
クリスタルフルートは、さまざまな長さや太さのバリエーションがあり、音色や音階の高さで吹き分けることが可能です。
しかし、管が長くなると、トーンホールの間隔が広くなり指で押さえづらいことがあります。
トーンホールがしっかり押さえられないと、音も上手く出ないため、自分の手の大きさに合わせて楽器を選びましょう。
管の抜き差しで音程を調節できない
クリスタルフルートは一本の管で作られているため、管の抜き差しで音程を調整することが出来ません。
そのため、演奏者自身が吹き口の向きや、息の強さで臨機黄変に音程を調節する必要があります。
自分の音を良く聞き、もし違和感を感じたら、口元を当てる角度や息の強さなどを変えて、音程に違いが出るか確認してみましょう。
唇を当てる位置が難しい
クリスタルフルートは、楽器の左側に位置する、吹き口に唇を当てて穴の中に息を吹き込む形で音を出します。
しかし、唇を当てる位置が正しくないと音が上手に出せないので、常に正しい位置に当てられるようにしましょう。
最初は少し難しいかもしれませんが、慣れてくれば、感覚的に正しい位置に口元をもっていけるようになります。
穴が少ないため運指が難しい
クリスタルフルートでは、指で押さえる穴が6つのみとなっています。
穴が少ない分、穴を1つずつ押さえる・開けるだけでは、全ての音が出せないので、運指を覚えていきましょう。
最初は運指を覚えるのに少々時間がかかる場合があるかもしれませんが、運指は慣れてしまえば自然に指が動くので心配はいりません。
クリスタルフルートの選び方
クリスタルフルートを始めてみようと思った方は、楽器を選んでいきましょう。
いくつかのポイントを押さえて、クリスタルフルートの上手な選び方を解説します。
また、クリスタルフルートの種類や楽器の長さもご紹介しますので、参考にしてくださいね。
クリスタルフルートの種類から選ぶ
管が短く音域が高い「ピッコロ」
クリスタルフルートの中でも、管が短く軽いピッコロと呼ばれるフルートです。
調性が2種類ありますが、C管ピッコロの方が長さが若干長くなっています。
- D管ピッコロ:長さ約28.2㎝
- C管ピッコロ:長さ約31.7㎝
低音から高音まで安定した音域の「フルート」
ピッコロと比較すると、管は長く音域も幅が広くなります。
一番長いクリスタルフルートでは、大人が持っても結構な長さとなるため、お子様や手の小さい方には、持ちづらく感じるかもしれません。
- B管フルート:長さ約35.5㎝
- A管フルート:長さ約37.5㎝
- G管フルート:長さ約42.1㎝
- Es(E♭)管フルート:長さ52.3㎝
- D管フルート:長さ約55.3㎝
持ちやすさや穴の押さえやすさで選ぶ
先に説明したとおり、クリスタルフルートは長さの異なる様々なサイズの楽器があります。
全部で6種類がありますが、一番短いものと一番長いものでは、長さがかなり違うため、持ちやすさも全く異なります。
お子様や小柄な方が始められる場合は、長いフルートだとトーンホール(穴)が上手く押さえられないことがあるので、選び方に注意が必要です。
フルート初心者の方や、手の小さいお子様向けに、右手薬指の穴の位置を少し手前にずらしている「Offset(オフセット)」仕様のタイプもあります。
音の高さや音域で選ぶ
管楽器は、全て管の長さで出せる音の領域が変わります。
音は、管が長ければ長いほど、低音まで出すことが可能となり、管が短く細いとより高音まで出すことが出来るのです。
つまり、クリスタルフルートも、短い管から長い管まで複数の種類がありますが、それぞれ出せる音域の幅が異なります。
もし、迷ったら以下のようなポイントを押さえて選んでみるのも良い方法です。
- 高音メインで演奏したい場合:ピッコロ
- ある程度低音も出したい場合:フルート
管の調性で選ぶ
クリスタルフルートは、様々な長さの楽器があり、それぞれ音域などが異なります。
異なる点の1つに、菅の「調性」というものがあります。
単独での演奏ならあまり気にすることないのですが、他の楽器と一緒に演奏する時は注意が必要となります。
初めてで不安な方には、C管の調性のクリスタルフルートがおすすめです。
デザインや絵柄の好みで選ぶ
クリスタルフルートの最大の特徴は、透明なガラス製で、美しい絵柄が描かれていることです。
演奏する目的以外にも家のインテリアとして、購入する方も多いと言われています。
素敵なデザインが多いので、お気に入りの絵柄を選んで、練習のモチベーションを上げていきましょう。
ぜひ、自分にぴったりな1本を探してみてくださいね。
クリスタルフルートおすすめ10選
それでは実際に、クリスタルフルートのおすすめ機種を10選紹介していきますが、クリスタルフルートはアメリカのHALL社が作成しています。
HALL社は主に、カジュアル系のテーブルウェアに定評があるメーカーで、ティーポットやグラスなどの食器が作られているようです。
また、「ボロシリケイトガラス」という強化ガラスを使用し、熱変動にも強いクリスタルフルートを作っています。
吹きやすさ、扱いやすさなどを中心に紹介しますので、楽器選びに迷ったら、ぜひ参考にしてください。
HALLクリスタル ピッコロ C菅 HALL CRYSTAL Piccolo C 全長317mm (Carolina)
フルート自体が初めての方に特におすすめな、クリスタルフルートの仲間のピッコロで、以下の特徴があります。
- 管が短かく、軽くて持ちやすい
- トーンホールが押さえやすく、安定した姿勢で演奏が可能
- 全長:317mm
- 管の調性:C管
- 絵柄:「Carolina」
HALLクリスタルピッコロ D管 HALL CRYSTAL Piccolo D 全長282mm(Ivy)
上記に続き、初心者の方でも持ちやすいクリスタルピッコロのD管で、特徴は以下のとおりです。
- C管ピッコロより30mm短い
- 楽器が軽くて持ちやすく、トーンホールも押さえやすい
- 全長:282mm
- 管の調性:D管
- 絵柄:「Ivy」
HALLクリスタルフルート A管 ホールクリスタル HALL CRYSTAL Flute A Offset 全長375mm(Carolina)
こちらは、クリスタルフルートの中では、短い方のフルートです。
オフセット仕様になっており、右手薬指のトーンホール(穴)が指の長さに合わせて少し下側に開いています。
- ピッコロと同じくらいの長さで持ちやすい
- トーンホール:オフセット
- 全長:375mm
- 管の調性:A管
- 絵柄:「Carolina」
HALLクリスタルフルート G管 HALL CRYSTAL Flute G Offset 全長421mm(Rose with Gold)
クリスタルフルートでは、中間の長さになり、バランスの良い長さの楽器です。
A管クリスタルフルートより、50mmほど長くなっているので、より低い音も対応します。
- ちょうど良い管の長さ
- 持ち方が安定する
- 全長:421mm
- 管の調性:G管
- 絵柄:「Rose with Gold」
HALLクリスタル フルート G管 HALL CRYSTAL Flute G Offset 全長421mm(Taj)
こちらも調性はG管のクリスタルフルートです。
オフセット仕様のトーンホールのため、押さえやすく楽器が安定します。
- 中間の長さのクリスタルフルート
- トーンホール:オフセット
- 全長:421mm
- 管の調性:G管
- 絵柄:「Taj」
HALLクリスタルフルート A管 ホールクリスタル HALL CRYSTAL Flute A Offset 全長375mm(Blue Delft)
G管より少々短めで、持ちやすいA管のクリスタルフルートです。
こちらも。トーンホールはオフセット仕様となり、以下が特徴です。
- G管フルートより50mmほど短い
- 短めフルートのため、お手入れが楽
- トーンホール:オフセット
- 全長:375mm
- 管の調性:A管
- 絵柄:「Blue Delft」
HALLホールクリスタルフルート A管 HALL CRYSTAL Flute A Flute Offset: Bristol Celtic 全長375mm(Bristol Celtic)
ピッコロほど小さくはなく、かといって大きいわけでもない一番手に取りやすい長さのクリスタルフルートです。
特徴は以下になります。
- 持ち運びにも楽で、ちょうど良いサイズ感
- 横笛らしい上品な絵柄デザイン
- トーンホール:オフセット
- 全長:375mm
- 管の調性:A管
- 絵柄:「Bristol Celtic」
HALLクリスタルフルート Bb管 HALL CRYSTAL Flute B♭ Flute 全長355mm(Carolina)
こちらはB♭管の仕様となっています。
トーンホールが横一直線になっているので、見た目が美しく、お部屋のインテリアとしても最適です。
- トーンホールはストレートで外観がより美しい
- A管クリスタルフルートより少し短い
- 全長:355mm
- 管の調性:B♭管
- 絵柄:「Carolina」
HALLクリスタルフルート Eb管 HALL CRYSTAL Flute E♭ Offset 全長523mm(Dragon)
クリスタルフルートの中でも長めサイズで、コンサートフルートにより近い長さになっています。
絵柄が珍しいドラゴンですが、上品な仕上がりです。
- コンサートフルートにより近い長さ
- 低音も出せるので演奏の幅が広がる
- トーンホール:オフセット
- 全長:523mm
- 管の調性:E♭
- 絵柄:「Dragon」
HALLクリスタルフルート D管 HALL CRYSTAL FluteD Offset 全長553mm(Dragonfly)
こちらも、長いサイズ感のクリスタルフルートです。
ゴールドで描かれた、トンボ柄が個性的でかわいらしい印象になっています。
- クリスタルフルートの中で一番長い
- 左手側での支えが多少必要
- トーンホール:オフセット
- 全長:553mm
- 管の調性:D管
- 絵柄:「Dragonfly」
クリスタルフルートの吹き方
ここでは、クリスタルフルートの吹き方について説明します。
楽器の構え方から詳しく説明しますので、初めての方は参考にしてくださいね。
楽器の持ち方
フルートは、持ち手をよく勘違いしている方を見かけますが、右手は順手で管の右側を持ち、左手は逆手で左側を支えるのが通常です。
クリスタルフルートの場合、楽器が軽いため必要ない場合もありますが、左手人差し指の付け根で、菅の真ん中あたりを支えるようにします。
- フルートは、体の右側に構える
- 背筋は伸ばし、少し上向き加減で吹き口へ下唇を当てる
口の当て方
リコーダーは、吹き口をくわえて音を出しますが、フルートは穴を口で塞ぎません。
唇の真ん中に小さな豆を挟んで、「プッ」と大きく吹き飛ばすような、そんなイメージで口の形をつくるとうまくいくかもしれません。
- 吹き口の穴を3分の1~4分の1程度を下唇で塞ぎ、あとは開けておく
- 口を横に引き、「イーッ」という発音の形にする
- 唇の真ん中に穴を作るような感じで息を出す
息を出す
口の形ができたら、息を吹き込み、音を出してみましょう。
飲料の瓶口に口を当てて、音を出すときの、その感じで吹き込んでみると良いでしょう。
うまく音が鳴らない場合は、息の吹き込む角度がうまく調整できていない可能性があります。
楽器の管自体を、少し外側へ反らしてみたり、反対に内側へ向けてみたり、少し回転させて音が出るポイントを調整しましょう。
- 息は、方向を下へ吹き込む
- 顔は下を向かず、上を意識する
- 顎はしっかり引く
まとめ
今回は、クリスタルフルートのおすすめ10選をご紹介しました。
お子様から、ご年配の方まで、持ちやすく吹きやすいので誰でも今すぐ始められますよ。
興味のある方、始めて見たい方は、この機会にぜひ、お気に入りの1本を見つけてみましょう。
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