バリトンサックスは、ソプラノ・アルト・テナーに比べ、最も大きな楽器です。
そのため、練習するにしても身体に負担がかかりやすく、他のサックスより疲れやすいといった点が目立ちます。
上達するためにたくさん練習をしたいと思うでしょうが、時には休息も大切です。
しかし、バリトンサックスは大きいので、広い机などがない場合、椅子の上だと不安定で、床だと衛生的かつ安全面的にも不安ですよね。
そんなときに大活躍するアイテムが、「スタンド」です。
今回は、バリトンサックスを安定して支え、かつ持ち運びも楽なおすすめスタンドを中心に10アイテムをご紹介します。
バリトンサックススタンドとは
サックススタンドとは、楽器を立てて補完することが可能な道具のことになります。
サックススタンドは、ベルハンガー、ボディ受け、アーム、足、ジョイントから成り立っています。
それぞれの部位の説明は以下の通りです。
ベルハンガー | ベルを置く部位 |
ボディ受け | サックスのU字になっている部分を支える部位 |
アーム | サックス全体を支える部位 |
足 | スタンドを立たせ、安定させる部位 |
ジョイント | 結合部位 |
バリトンサックススタンドは、他のサックスのスタンドよりも安定感が重要視されます。
そのポイントとして、素材の違いもありますが、組み立て方によって安定感が大きく左右されるのです。
組み立て方のポイントについては後に説明しますが、まずはバリトンサックススタンドの仕組みについて押さえておきましょう。
バリトンサックススタンドを使うメリット
持ち替えが楽になる
サックスは、バリトンサックスだけでなく、アルトやテナーなど様々な種類があります。
特に吹奏楽やジャズでは楽器を持ち替えて演奏することがあります。
演奏曲のパート割が多い場合、曲中で楽器を持ち替える方もいるのではないでしょうか。
椅子の上に置いておくことも可能ですが、サックスは置く向きが決まっているので、素早く持ち替えることが難しくなります。
そんな時にサックススタンドがあると、立てて置くことができるので、素早く持替えられます。
置くときに場所をとらない
バリトンサックスを平置きすると、楽器が大きいので、場所をとります。
狭いスペースで練習したり、大人数で演奏する場合は、邪魔になることや誰かが楽器につまずく恐れもあるので大変危険です。
楽器が破損することにも繋がりかねないので、不安ですよね。
サックススタンドに立てることで、スペースにゆとりができ、安心して練習ができます。
バリトンサックスのキーの歪み防止
バリトンサックスはキーが多いので平置きする場合どこかしらのキーが床にあたります。
その状態が続くことで、少しずつキーが歪み、バリトンサックスの不調に繋がる恐れがあります。
キーが歪むと音が出にくくなったり、最悪の場合音が出なくなるときもあります。
一方で、サックススタンドを活用すると、キーが床などにあたることも無くなります。
バリトンサックススタンドの選び方
足のデザイン
バリトンサックススタンドは安定感が第一となります。
安定感を高めるために重要な足は様々なデザインがあります。
三脚(譜面台タイプ)
名前の通り、譜面台の足のようなかたちのスタンドになります。
組み立て方が比較的楽で、準備にあまり時間がかかりません。
一方で、スタンドの足の開く角度を開きすぎたり、閉じすぎたりすると倒れる可能性があるので注意してください。
三脚(ノーマルタイプ)
足それぞれの角度を自分で決めるタイプになります。
開く角度を決めるために、ストッパーがかかっている場合もあります。
軽量のアイテムが多く、持ち運びが楽になります。
こちらも、きちんとスタンドの足を開いておかなければ、倒れる可能性があるので、よく確認してから使用しましょう。
四点設置型
スタンドの形状がY字になっている特徴があります。
スタンドの足には四点で支えられるようになっており、安定感と頑丈さに優れています。
三脚タイプに比べ、安定感がありますが、前に倒れる可能性が高くなるため、楽器をスタンドから取るときには十分な注意が必要となります。
重さ
バリトンサックススタンドは、持ち歩く場合が多いので荷物になってしまいます。
できるだけ手軽に持ち運びがしたいと思う方は、1kg前後のバリトンサックススタンドを選ぶことをおすすめします。
しかし、軽量のバリトンサックススタンドは安定感が心配な傾向があります。
そのため、あまり持ち運びをしない人は足の部分に重みのあるタイプを選択することもよいと思います。
バリトンサックススタンドおすすめ7選
HERCULESスタンドバリトンサックスフォーン用(DS535B)
サックスのスタンドといえばコレ!という定番商品です。
折りたたみができ、収納の時に場所を取らなく、ずっしりと安定感があります。
重量が約2キロあるので、持ち運びには少し不便になります。
また、付属で持ち運び用の袋がないので、自分で用意する必要があります。
- 高さ:645 – 875mm
- 折畳サイズ:480x180mm
- 重量:2.1Kg
HERCULESバリトンサックス+アルト/テナースタンド(DS536B)
2本置きできるサックススタンドです。
バリトンサックスと、アルト又はテナーのどちらかを吹く方におすすめのアイテムとなっています。
バリトンサックスは安定感がありますが、アルトやテナーは置くときにグラグラすることがあります。
使用時は倒れないか確認してから使用しましょう。
また、こちらも重さが約2キロあるので、持ち運びは少し大変だと思います。
- 設置高さ:645-875mm
- 折畳みサイズ: 480x180mm
- 重量:2.1 kg
K&Mバリトンサックススタンド(ST144/1)
楽器スタンドメーカーでは、世界トップブランドとして活躍しており、海外でも使用する方が多いです。
バリトンサックスのスタンドの中では、軽量なので、持ち運びが楽な商品になります。
ボディ受けが下に来るタイプなので調整が難しく、初めは組み立てに時間がかかる可能性があります。
持ち運ぶことが多い方におすすめのアイテムになっています。
- 高さ : 79cm~91.5cm
- 重量 : 1.26kg
K&Mバリトンサクソフォーンスタンド(14415)
安定感と頑丈さに優れたパイプ四点設置の足になります。
高さの調節が細かくできるので、楽器に合わせた調節が可能になります。
折りたたむことが可能ですが、重量があるので、持ち運びにはあまりおすすめしません。
持ち運ぶことがあまりない方や、固定の部屋に置いておく用としてはおすすめできるアイテムです。
- 設置高さ:70cm×40cm×12cm
- 折畳サイズ:40cm×44cm
- 重さ:約3.0kg
OnStageStandsスタンドバリトンサックス用(SXS7501B)
組み立てが簡単なため、初心者でも簡単に組み立てることが可能なアイテムです。
また、重さが1キロしかないので、持ち運びが楽な点が特徴です。
一方で、とても軽いので少しでの衝撃でも倒れやすいという欠点もあります。
ビッグバンドのように入れ替わりの激しい演奏会などにはあまりおすすめしません。
- 設置高さ:約66cm〜約73.7cm
- 重さ:1kg
オオハシバリトンサックス用スタンド(WS-203S)
国内の会社が製造していることから、信用の高い製品になっています。
中高の吹奏楽でよく見かける商品です。
非常にコンパクトにたたむことができ、少し重さもありますが、安定感と総合して考えると申し分の無い商品です。
足の角度を自分で決めなければいけないので、準備の段階で確認しないと楽器が落下する恐れがあるので注意しましょう。
- 重さ:2.5kg
アイダスタンドバリトンサクソフォーン用(1041DX)
アイダも国内の会社であり、楽器や楽器用アクセサリーを制作しています。
楽器に合わせたスタンドを作成している点が特徴的です。
そのため、他のバリトンサックススタンドとは異なる形で、楽器を支えるための角度が決められています。
安定感のあるスタンドにはなりますが、重さが約3キロあるので、持ち運びが大変になります。
スタンドを畳むことはできますがそれほどコンパクトにすることができないので、あまり移動が少ない方におすすめな商品です。
- 重さ:2.9kg
バリトンサックススタンドの使い方
スタンドの足の角度を決める
バリトンサックススタンドの安定感を決め手になる部位は「足」の開き具合です。
三脚(譜面台タイプ)と三脚(ノーマルタイプ)で注意点が異なるので2点に分けてご説明します。
三脚(譜面台タイプ)
足の開き具合は開きすぎるとスタンドの高さが低くなるので、ベルの下部が床に当たってしまう可能性があります。
一方で、足の開き具合が狭すぎると安定感がなくなり、倒れやすくなるので注意しましょう。
三脚タイプは、譜面台を想像してもらえれば分かりやすいかもしれません。
三脚(ノーマルタイプ)
三脚タイプ以外は、足が地面に対して平たくなるので、倒れにくくなります。
足の角度が決められているものもありますが、折りたたみ式のアイテムに関しては自分で角度を決める必要があります。
この角度が一定のバランスでないと不安定になり、倒れやすくなります。
まずは、組み立ててから安定感があるか確認してから使用しましょう。
アームの高さを確認
次にアームの高さを確認します。
ネジでしっかりと高さを固定しましょう。
このときに低すぎるとベルの下部が床にぶつかり、傷やへこみの原因になるので注意してください。
ネジがきちんと締まっているか確認
足やアームの固定部分であるネジをきちんと締めたか最終確認をします。
この確認を怠ると、ネジが緩み楽器が落下する恐れがあります。
組み立てたときに締めたネジは全て確認し、緩みがないかチェックしてから使用するようにしましょう。
楽器の持ち替えには注意を!
楽器を置くときやスタンドから楽器を取るときには慎重に扱いましょう。
特に、持ち替え時は注意が必要です。
バリトンサックスは、装着するまでに時間がかかるので、時間にゆとりを持って持ち替えすることがベストですが、曲中では時間が限られています。
練習の時から持ち替えのことも考えて動きをシミュレーションしておくことが大切です。
基本、スタンドは左側に置くことが多いですが、どこに置いたら持ち替えがスムーズなのか、安全に演奏することができるのかなど、色々試してみてください。
自分が見ていない間に他の人が触ったり、長年使っていると最終確認をしてもネジが緩んでいたりする場合があります。
楽器の破損を防ぐために、スタンドを使用するときには常に注意する必要があります。
まとめ
バリトンサックス奏者にとって、スタンドはあると便利なアイテムですが、立てて楽器を置くことから不安定さがあります。
少しでも不安を解消するために、安定感のあるアイテムを選ぶことをおすすめします。
また、バリトンサックス自体が大きく、重い楽器ですので、小物はできるだけ軽量のものを選ぶと移動が楽になります。
自分の用途に合わせたバリトンサックススタンドを選択しましょう。
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