バリトンサックスは、吹奏楽やジャズなどにおいて、ベースを務める縁の下の力持ちの存在であり、曲によっては、ソロを担当することも多くある楽器です。
バリトンサックスを含め、木管楽器の音を決めるものが、「マウスピース」です。
マウスピースが違うだけで、音の鳴りや響きが大きく変わります。
そのため、演奏する曲や用途によってマウスピースを使い分けることがあります。
今回は、そんな重要なパーツである、バリトンサックス用マウスピースのおすすめを10アイテムをご紹介していきます。
バリトンサックス用マウスピースとは
「そもそも、マウスピースってなんだろう?」と思った方もいるのではないでしょうか。
マウスピースとは、管楽器と呼ばれる、息を吹き込んで音を鳴らす楽器において、口をあてて息を吹き込む部分のことを指します。
通称「マッピ」と略され、バリトンサックスはこのマッピとリード、リガチャーという道具3点が揃って初めて音を出すことができます。
つまり、マッピがないと楽器を演奏するどころか、音を出すことすら難しいのです。
また、サックスにはソプラノサックスやアルトサックス、テナーサックスなど様々な種類がありますが、楽器の大きさが異なるようにマウスピースの大きさも異なります。
バリトンサックス用のマウスピースは、上記に挙げたサックスの中で最も大きなサイズと覚えておくといいでしょう。
バリトンサックス用マウスピースにこだわるメリット
音のコントロールのしやすさはマウスピースで決まる
バリトンサックスは、アルトやテナーに比べ、多くの息を入れることで音は簡単に出ます。
しかし、音が出てからが大変なところ。
バリトンサックス用のマウスピースは、木管楽器の中でも息の圧をそこまでかけなくても吹けてしまいますが、その分音の強弱のコントロールが難しいのです。
そのため、試奏して「大きな音が出る」ことを基準に選ぶことは、リスクがあるので、慎重に選ぶ必要があるのです。
マウスピースは音の基盤
自分がやりたい曲のジャンルによって出したい音色は変わりますし、演奏会では様々な曲のジャンルを演奏することも多いでしょう。
バリトンサックスは、曲のジャンルで役割が大きく異なるので、響きのある低音でバンドを支える時やバリバリ鳴らして主役になる時もあります。
もし、そのような真逆のジャンルの曲を演奏することになったとき、音の雰囲気をすぐに変えられるアイテムがマウスピースです。
もちろん技術を身に付けることも重要ですが、マウスピースの材質によっても音の雰囲気ががらりと変わります。
そのため、自分が出したい音色に合わせてマウスピースを選ぶことが重要なのです。
バリトンサックス用マウスピースの選び方
マウスピースを選ぶ時には、できれば試奏をして「自分が吹きやすい」と思ったものを選択するべきです。
しかし、様々な種類があって何がどう違うのか分からないですよね。
バリトンサックス用マウスピースの着目すべきポイントを3つご紹介します。
マウスピースを選ぶポイント① ティップオープニングの広さ
ティップオープニングとは、マウスピースとリードの間にある隙間のことです。
この隙間が狭いときと広いときで吹きやすさが大きく異なります。
主に、強弱のコントロールに関係する部分になります。
メリット | デメリット | |
ティップオープニングが広い | 大きな音が出しやすい | たくさんの息が必要になる 安定した息のコントロールが難しくなる |
ティップオープニングが狭い | 息の量が少なくても音をだすことができる 息のコントロールが安定しやすい | 大きな音が出しにくい 細かいコントロールが難しい |
初心者は息のコントロールが難しいので、ティップオープニングが狭くなるマウスピースを選ぶ方が無難と言えるでしょう。
マウスピースを選ぶポイント② フェイシングの距離
フェイシングとは、マウスピースにリード固定した状態で横から見たときに、先端からリードがマウスピースに触れた距離のことです。
この距離は音色の関係する部分だと言われています。
音の特徴 | デメリット | |
フェイシングが長い | 暗めで太い音色である傾向 | コントロールが難しい |
フェイシングが短い | 明るく華奢な音色である傾向 | 低音が出しにくい |
自分が出したい音色の傾向に合わせて選ぶことがおすすめです。
ティップオープニングとフェイシングは密接に関係しており、メーカーやモデルによって異なるものもあれば、同じものもあります。
マウスピースを選ぶポイント③ 材質
バリトンサックス用マウスピースには様々な材質で作られ、主に音質に関連します。
今回は、主流である「ハードラバー(エボナイト)」、「フェノール樹脂(プラスチック製)」と「メタル(銅や合金など)」の3種類を紹介します。
ハードラバー(エボナイト)
ハードラバーの原料は天然のゴムで、そこに硫黄を加えて熱して製造します。
硬く光沢のある見た目をしており、吹奏楽やクラシック、ジャズなど様々なジャンルで好まれ、よく使われています。
音色の特徴として、音質に柔らかさや艶がでるので、まろやかな印象を与えます。
フェノール樹脂(プラスチック製)
プラスチック製なので、軽量であり量産に向いている材質なので低コストで生産が可能。
手に入れやすい価格なので初心者用としてもおすすめです。
音色は軽やかで硬めという特徴があり、吹きやすい点からも初心者でも気軽に購入できるものとなっています。
メタル(銅や合金など)
真鍮やアルミ合金、ステンレスなどの素材が使われています。
表面にメタル処理をすることがあり、メッキによって音色が変わります。
金属でできているため、硬めでパワーのある音色が特徴であり、ジャズやフュージョン、ポップスなどで使用する場合が多いです。
バリトンサックス用マウスピースおすすめ10選
バンドーレンバリトンサックス用マウスピース V5(B75)
クラシックからジャズまで幅広いジャンルの演奏家が使用しやすいように幅広いモデルがあるのが、V5シリーズです。
今回ご紹介するB75はジャズの定番マウスピースといえるモデルになります。
学生からプロまで使用されており、音のコントロールがしやすいという特徴があります。
ティップオープニング:2.75mm
ゴッツバリトンサックス用マウスピース(ジャズメタル7)
ジャズマウスピースの中でも非常に人気の高いモデルです。
非常に人気の高い商品であり、かつハンドメイドということもあり、今回ご紹介している「7」以外のティップオープニングの方は入荷待ちでした。
材質がメタルということもあり、音に芯があり、力強さが特徴的です。
また、低温の鳴りが良いので、バリトンサックスの魅力を全面に出すことができます。
サックスをはじめて経験を積んで、ジャズサックスにも興味があり方におすすめできる商品です。
ティップオープニング:2.60mm
ヤナギサワバリトンサックスマウスピース(メタル5)
国内産サックスメーカーであるヤナギサワが出しているマウスピースは、安定した品質と優れた音質に定評があります。
吹きやすく、はっきりとした輪郭のある美しい音色が特徴的です。
メタルマウスピースは専用のリガチャーとキャップが附属でついてくるので、別途買わなくても良いというメリットがあります。
メタル製のマウスピースで約4万円なので、マウスピースとリガチャー、キャップと考えるとお手頃の値段なのではないでしょうか。
ティップオープニング:2.20mm
フェイシング:28.00mm
バリトンサックス用マウスピースの使い方
バリトンサックス用マウスピースの組み立て方
マウスピースを組み立てるためには、「リード」と「リガチャー」が必要になります。
手順としては、リガチャーをゆるめてマウスピースにつけ、リードをセットし、リガチャーのネジを止めます。
組み立て方はそこまで難しくありませんが、気を付けるポイントが全部で3点あります。
リガチャーの位置
リガチャーの位置は、上過ぎても下過ぎてもいけません。
マウスピースに線が入っている場合は、その線にリガチャーの上を合わせて止めると良いでしょう。
メタル製や他の材質でも線が入っていないマウスピースもあります。
その場合は、マウスピースの正面にマークがありますのでリガチャーと丁度重なるようにすると良いでしょう。
ただ、マウスピースによっても異なりますので、注意してください。
リードの位置
リードの位置もリガチャー同様、高すぎても低すぎてもいけません。
マウスピースにリードをセットして、基本的に髪の毛一本分の隙間からマウスピースが見えるように合わせると丁度いいとされています。
個人差があるので自分が吹きやすい位置に調整しましょう。
また、正面から見て、リードが左右対称になるようにしてください。
どちらかに傾いていたりすると、音が出なかったり、出にくかったりしますので、よく確認しましょう。
リガチャーのネジの締め方
リードを止めるリガチャーのネジは締めすぎないようにしてください。
リードが動かない程度まで締めておけば大丈夫です。
ネジを締めすぎてしまうと、リガチャーの破損に繋がってしまうので注意しましょう。
ここまでが、マウスピースの組み立て方です。
マウスピースを組み立てたら、「ネック」というパーツにマウスピースを取り付け、本体につければ、全体の組み立ては終了です。
バリトンサックスはいきなり楽器で練習するにはハードルが高いと思うので、口の形を安定させる為にも、マウスピースとネックのみで練習してみてください。
その後、楽器に取り付け、息のコントロールや指の練習をしてみましょう。
バリトンサックス用マウスピースの手入れの仕方
楽器の練習が終わったら、手入れをする必要があります。
中に水滴がたまるので、拭き取ってから楽器ケースにしまうことで、マウスピースの急激な劣化を防ぐことに繋がります。
拭き取る際に使う道具があり、「スワブ」といい、木管楽器の必需品ですが、楽器ごとでサイズが異なります。
このサイズを間違えると「スワブ詰まり」の原因となるので注意しましょう。
まとめ
バリトンサックス用のマウスピースについてご紹介しました。
やりたいジャンルに合わせたマウスピースを選ぶことで、理想の音色に近づくことができます。
しかし決して安いものではないので、できれば試奏して自分に合うものを見つけると良いでしょう。
また、購入後も手入れを怠らず、大事に使ってくださいね。
売れ筋ランキングも
チェックしよう!