ひと昔前は「ベースと言えばアン直!エフェクターはいらない!」といった風潮も多かったですが、昨今はさまざまなエフェクターを導入しているベーシストが多くなりました。
特に歪みエフェクターに関しては、音を歪ませる以外にもベースそのものの音に大きな影響を与えることからこだわりを持つ人も増えています。
しかし、歪みエフェクターもオーバードライブやディストーションなど多くの種類があるため、どれを選んでいいか悩んでしまう人もいるでしょう。
この記事では、そんなお悩みを持つベーシストのために歪みエフェクターのおすすめ15選を解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
ベース用歪みエフェクターとは
ベース用歪みエフェクターとは、ギター用で代用していたときとは比較できないほど出音に対しての恩恵がある歪みエフェクターのことです。
以前はベース用の歪みエフェクター自体があまり発売されておらず、ギター用の歪みエフェクターで代用するケースも多かったです。
しかし昨今ではベース用のエフェクターも種類がかなり増え、さらにはベース用のエフェクターのみを販売しているメーカーもあるほど。
その他にもペダルタイプのベースプリアンプに一緒に歪みチャンネルが別途搭載されているなど、今やベース用歪みエフェクターはベーシストにとっても必須ともいえるような存在になりました。
ベース用歪みエフェクターを使うメリット
ベースの帯域に最適化されている
ベース用の歪みエフェクターの特徴といえば、その帯域にあります。
ベースはギターに比べると帯域はかなり低くなっているため、ギター用の歪みエフェクターで代用するとBASS(低音域)が物足りなくなったり、逆にTREBLE(高音域)がきつくなりすぎたりといったケースがありました。
しかし、ベース用歪みエフェクターはベースの帯域に合わせた設計となっているため、ベースの美味しい帯域を生かした音作りが可能となります。
ベースの原音を生かせる
ベース用のエフェクターにはBLEND(またはBALANCEなど)と呼ばれるつまみが搭載されているものがあります。
このつまみは原音(DRY音)とエフェクトがかかった音(WET音)をどのくらいの割合で出力するかを調整できるものです。
歪みをかけるほどに音が派手になっていく一方で、少しずつ芯が失われ奥に引っ込んだような音になってしまいます。
しかしこのBLENDつまみで原音を足すことによりエフェクトをかける前の芯がある音を生かすことができるのです。
D.Iが搭載されている
ベース用歪みエフェクターにはD.Iアウト(ダイレクトアウト)と呼ばれる端子が搭載されていることも多いです。
このD.Iアウトとはエフェクトがかかったサウンドを出力する通常のOUTプットとは別にエフェクターがかかる前の音を出力することができる端子のこと。
その使い方は様々で、例えばライブの際、ベースアンプとは別にPAやモニターに音を送る、といった使用も可能です。
この使用用途を見るとギター用にあってもいいのではと思う方もいらっしゃることでしょう。
しかし、ギターのサウンドはアンプから出た音をメインに使用するのに対し、ベースは場合によってはアンプを通す前の音のほうが使い勝手がよかったりするため、このD.Iが搭載されているケースが多いです。
ライブハウスには専用のD.Iボックスが設置されていることがほとんどではあるものの、あれば何かと役立つ端子です。
ベース用歪みエフェクターを使うデメリット
高価な機種が多い
ベース用の歪みエフェクターはギターに比べると前述した特有のつまみや端子が搭載されていることが多いせいか、値段が高めの機種が多いです。
もちろん、それらのつまみを省いた安価なものも存在します。
とりあえず1台ベース用の歪みを買ってみようかなといった場合でも、しっかり吟味したうえで購入しないと、もし合わなかった場合お財布にとって結構な痛手となる可能性があるので注意が必要です。
店頭での種類が少ない
以前に比べるとベース用のエフェクターはその数もだいぶ増えてきましたが、未だに店頭ではギター用のエフェクターに比べるとその数が少ない場合も珍しくはありません。
オンラインでの方が購入しやすいケースもありますが、やはり購入する前に試奏はしたい方はいらっしゃいますよね。
お目当てのエフェクターが近くの楽器屋になく、遠くの楽器屋に足を運ぶ際はあらかじめ在庫があるか確認しておくのがおすすめ。
ベース本体やベース関連の機材のみを扱っている楽器店も多いので、せっかくならそういった楽器屋に行ってみるのも楽しいかもしれませんね。
ベース用歪みエフェクターの選び方
歪みの種類
歪みエフェクターは大きく分けて下記の3種類で、歪みの質が変化します。
- オーバードライブ:歪みの量は少なめで、GAIN(歪み)を少なくすることでブースター的な使い方をすることも可能
- ディストーション:オーバードライブより歪みの量が多い
- ファズ:ディストーションよりもさらに激しく歪み、ノイズ感のある強烈なサウンドが特徴
それぞれサウンドの特徴が大きく異なることから、自分がどんなシーンでどのような歪みを使いたいかをイメージしておきましょう。
また、中には歪みチャンネルを一緒に搭載したプリアンプも発売されているため、歪みエフェクターとしてプリアンプを選択することもあります。
EQの種類
歪みエフェクターは基本的にGAIN(歪み)・TONE(音の明るさ)・LEVEL(音の大きさ)を調整するつまみが搭載されています。
しかし、それ以外にもEQと呼ばれるBASS(低音域)・MIDDLE(中音域)・TREBLE(高音域)を調整するつまみが搭載されている機種もあり、その場合はさらに細かい音作りが可能となります。
同じEQでもどのあたりの帯域を調整できるかは機種によって異なりますので、歪みエフェクターでしっかり音作りをしたい場合は、このEQの搭載有無やどの帯域を調整できるかも判断基準になることでしょう。
端子の種類
前述したとおり、ベース用のエフェクターにはD.Iアウト(ダイレクトアウト)と呼ばれるそのエフェクターに入ってきた音をそのまま出力できる端子が搭載されている機種があります。
曲の合間で必要なときだけ歪ませる場合であればそこまで搭載は必須ではありませんが、常時かけっぱなしで使用する際は、このD.Iアウトが搭載されているとなにかと便利です。
またその他にもチューナーアウト端子やループ端子が搭載されていると、その分使い勝手も良くなりますので、こちらも自分の使用用途によっては選ぶ際の判断材料にしてください。
ベース用歪みエフェクターおすすめ15選
VivieOwlMighty Pro
同じくVivie社製のベースプリアンプであるOwlMighty Proの紹介です。
カテゴリとしてはプリアンプに分類されますが、通常のON/OFFの他にもDRIVEチャンネルが別途搭載されているため、オーバードライブペダルとしても使用することが可能。
豊富なEQつまみが搭載されており、中でもBASS(低音域)の周波数帯を選択できるのは割と珍しく、痒いところに手が届く仕様となっています。
その他にもCOMPを調整できるつまみがコンプ(スレッショルド)とアタック/リリース・タイムの2コントロールを備えていたり、ON/OFFスイッチの長押しでミュートできるなど、実用性もばっちりです。
Darkglass ElectronicsMicrotubes X ULTRA
Darkglass Electronics社製のオーバードライブをご紹介してきましたが、同社のディストーションエフェクターであるMicrotubes X ULTRAについてもご紹介します。
このXシリーズの最大の特徴はその回路にあり、なんと低音域と高音域で別の回路を通り、それぞれ異なる処理が行われます。
入力されたベースサウンドを低音域と高音域で別に抽出した後、低音域はコンプを、高音域は歪みと異なる加工を施した後、別々に処理されたサウンドをミックスした後イコライジングされます。
かなり音作りが難しい機種ではありますが、その分慣れてくるとかなり細かい音作りが可能です。
NUXMLD Bass Preamp + DI(NBP-5)
いい意味で、安価な価格とは見合っていないエフェクターなどを数多く発売し、昨今注目を浴びているNUX社製がメルヴィン・リー・デイヴィスとのコラボレーションで生まれたベース用プリアンプです。
こちらもプリアンプであるものの、別チャンネルでDRIVEスイッチが搭載されており、オーバードライブとしても使用することが可能。
D.Iアウトはもちろんのこと、Aux InやPhone端子も搭載されており、さらにはオーディオインターフェースにもなります。
また専用のPCエディタを使用することでノイズリダクションの設定も可能となっており、ライブだけでなく宅録にも便利な一台です。
ベース用歪みエフェクターの使い方
ベース用歪みエフェクターについて、一般的な使い方を解説していきます。
常時かけっぱなし
必要なときだけONにして音を変化させるのがエフェクターですが、常時かけっぱなしにして使用することも珍しくありません。
特にオーバードライブのような比較的歪みの少ないエフェクターは様々な使い方が可能。
曲のジャンルによっては常時うっすら歪ませておいても良いですし、GAIN(歪み)を全く上げずにベース直後につないでブースターやバッファ的な使い方をすることもできます。
また、歪みをかけると多少音にコンプがかかるため、スラップの時にONにするのもおすすめです。
ベースサウンドを目立たせる
ディストーションやファズくらいの歪みになるとここぞという場面でONにするのがメジャーな使い方になります。
特にベースソロや曲中での印象的なフレーズを際立たせる際にONにして、しっかり歪ませるケースも多いです。
その他にもスラップの時にがっつり歪ませて、ノイジーなスラップサウンドを披露するベーシストも増えています。
まとめ
ベース用の歪みエフェクターを使用することは、単純に音を歪ませるだけでなくベースサウンド自体を良くする効果もあります。
音に与える影響が多い分、歪みエフェクターの質はベースサウンドの良し悪しに直結しますので、自分のニーズも合ったよいものを選びことがおすすめです。
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