演奏会の曲目選びに多くの団体が取り入れているのが、吹奏楽ポップスです。
メインの曲としてはもちろん、曲の間の息抜きやアンコールとしてもポップスが選ばれています。
吹奏楽はさまざまな曲をアレンジしているので、膨大な曲のなかから選曲するのは大変ですよね。
この記事では、吹奏楽でポップスが持つ役割を解説し、名曲・人気曲を合わせて20選ご紹介いたします。
吹奏楽でポップスを演奏するメリット
みんなで一緒に盛り上がれる
ポップスとは皆が知っている大衆音楽のこと。
クラシックやビックバンドで演奏される本格的なジャズとは違い、分かりやすくて短い曲が多いのが特徴です。
吹奏楽では好きな歌手の曲やアニメや映画のテーマ曲など、幅広い曲がアレンジされていて、観客層によって選曲を変えることも可能。
気楽に聴けてみんなが盛り上がれるので、曲目に上手に取り入れたいですね。
吹奏楽を知らない人にアピールできる
音楽になじみがない人にとっては、吹奏楽ってなんだか堅苦しい印象を与えがちなもの。
実は幅広いジャンルの音楽を演奏できることや、生の楽器の音色が人の心を癒したり、元気づけたりすることを知ってもらいたいですよね。
誰でも知っているポップスが演目に入っていれば、まったく吹奏楽に興味のない人でも「聞いてみようかな?」と思ってもらえるはずです。
普段できない経験が積める
ポップスはクラシックや吹奏楽のオリジナル曲よりもソロパートが多いです。
普段は前にでない人でも、ソロを演奏すれば自分の音が会場に響く嬉しさと、貴重な経験を得られますね。
また、クラシックや吹奏楽オリジナル曲では登場しない音域に挑戦したり、慣れないリズム感に苦戦したりと、演奏する側の経験が積めるのも嬉しいポイントです。
吹奏楽ポップスの名曲10選
まずは、「吹奏楽ポップスといえばこれ!」という定番の名曲を10選ご紹介いたします。
ヤマハミュ-ジックメディアニュー・サウンズ・イン・ブラス 29 ルパン三世のテーマ
数あるルパン三世のテーマ曲のなかでも、吹奏楽で吹くならこちらのジャズアレンジがおすすめです。
冒頭から力の入りすぎないサックスのメロディがかっこよく、後半にある長めのトロンボーン・ドラム・トランペットソロが聴かせどころ。
おしゃれな楽曲を取り入れたいならおすすめの1曲です。
ロケットミュージックディスコ・キッド
吹奏楽の演奏会での定番曲、ディスコ・キッド。
実は吹奏楽コンクールの課題曲だったことを知る人は少ないのではないでしょうか。
曲中のクラリネットのアドリブソロや、いい意味で力の入りすぎないメロディが何度も聴きたくなりますね。
ドラムやベースも登場して、こんなかっこいい曲が課題曲だったなんてうらやましいものです。
ヤマハミュ-ジックメディアニュー・サウンズ・イン・ブラス エル・クンバンチェロ
演奏会の雰囲気を変えたいなら、ラテン音楽なんていかがでしょうか。
パンチのきいたパーカッションソロから始まるこちらの楽曲は、冒頭で「エル・クンバクンバチェロー!」と掛け声が入るのがポイント。
ハイテンポのリズムで冒頭から難易度高めで、曲中のフルート2本の掛け合いがかっこいいです。
カリブ海に浮かぶプエルトリコのお祭り騒ぎを想像して、ハイテンションで決めたいですね。
ヤマハミュ-ジックメディアニュー・サウンズ・イン・ブラス 宝島
吹奏楽ポップスで必ず候補にあがるのが、宝島ではないでしょうか。
もともとはT-SQUAREというバンドのオリジナル曲で、電子楽器のウィンド・シンセサイザー・ピアノ・ベース・ドラムで演奏されています。
現在では吹奏楽ポップスの定番曲となり、管楽器ならではの厚みのあるサウンドで長く愛されています。
曲中にサックスソロが登場するなど、聴かせどころもばっちり。
曲選びに迷ったら候補に上げたくなるのも納得ですね。
ヤマハミュ-ジックメディアニュー・サウンズ・イン・ブラス ディズニー・ ファンティリュージョン
ディズニーランドのパレードで使用されていたこちらの楽曲は、ディズニーファンでなくとも知っている人は多いのではないでしょうか。
白雪姫、アラジン、シンデレラ、眠れる森の美女、リトルマーメイド、美女と野獣といったディズニーの名作から抜粋したパレード曲です。
曲調を変えながら流れるので聴きごたえ抜群ですが、演奏しているほうは長い楽曲に苦戦するかもしれませんね。
木管楽器の細かい連符も頑張りどころです。
ヤマハミュ-ジックメディアニュー・サウンズ・イン・ブラスアフリカン・シンフォニー
アフリカンシンフォニーを聴くと野球応援を想像する人が多いことでしょう。
前にでることが珍しいホルンが主役のこの楽曲。
冒頭でパート全員で鳴らす場面は聴きどころです。
ホルンが4人揃っていて、腕のたつパーカッション奏者がいる団体にはぜひ演奏してほしい1曲です。
ブレーンミュージック 組曲「宇宙戦艦ヤマト」(全4曲)
宇宙戦艦ヤマトの有名テーマ曲を組曲にアレンジしました。
吹奏楽ポップスの枠を超えた本格アレンジで、原作ファンもたまらない楽曲です。
第1楽章、第4楽章ではアルトサックスの澄んだ音色のソロが登場。
4部構成でも長くなりすぎないので、演奏会のメインの楽曲として気軽に取り入れられますよ。
ヤマハミュ-ジックメディアニュー・サウンズ・イン・ブラス私のお気に入り~My Favorite Things~
JR東海のCMで注目されるようになったこちらの楽曲。
全体的にリズム感が難しく、軽やかなフレーズとなめらかなフレーズの雰囲気の差を付けて演奏したいですね。
3拍子の3連符で駆け上がる連符が難しく、苦戦する人も多いのではないでしょうか。
途中に登場する、アルトサックスソロの美しい音色も聴かせどころです。
ヤマハミュ-ジックメディアニュー・サウンズ・イン・ブラス 君の瞳に恋してる フル-トとバンドのための
1967年に発表されたアメリカのポップスを、フルートソロのために編曲したこちらの楽曲。
日本でもさまざまなアーティストにカバーされたりテレビで使用されたりと耳にする機会も多く、知っている人は多いのではないでしょうか。
誰もが知っているメロディを吹奏楽の肉厚なサウンドで表現し、美しいフルートソロを堪能してください。
吹奏楽ポップスの人気曲10選
ここからは演奏会で取り入れたい、人気の吹奏楽ポップスを10選ご紹介いたします。
ウィンズスコアももいろクローバーZコレクション
イドルの曲とあなどると痛い目をみる、キレのあるアレンジが魅力。そもそも緩急のクセがある楽曲が多いので、しっかり動き
人気アイドルももいろクローバーZの曲が4曲、メドレー形式で収録されてます。
アイドルの曲とあなどると痛い目をみる、キレのあるアレンジが魅力。そもそも緩急のクセがある楽曲が多いので、しっかり動きを覚えて表現したいですね。後半は長めのトロンボーンソロがあるので注目です。
ブレーンとなりのトトロ コンサート・バンドのためのセレクション
スタジオジブリからとなりのトトロのメドレーです。
誰もが知っている安定感のあるメロディなので、幅広い年代が集まる演奏会におすすめ。
私も何度も演奏しましたが、「すすわたり~ねこバス」がお気に入りです。取り組みやすい楽譜なぶん綺麗な音色を意識して演奏したいですね。
ウィンズスコア威風堂々 BrassRock
行進曲の威風堂々を吹奏楽ポップスとしてロック風にアレンジ。
アニメの主題歌としても有名になりましたが、全く違う雰囲気で楽しめます。
聞きなれたメロディで始まったかと思えば、爽快感のあるテンポに切り替わります。原曲は16分音符の連続で苦戦した記憶がありますが、期待どおり曲の最後に残されていますよ。
ヤマハミュ-ジックメディアニュー・サウンズ・イン・ブラス スーパーマリオブラザーズ
ゲーム音楽として有名なスーパーマリオブラザーズのテーマ曲を、吹奏楽用にアレンジしました。
全体的に細かい動きが多く気が抜けません。
軽快なテンポで曲が流れるので、音が重たくならないように注意したいですね。
マリオがゴールにたどり着いたときの、トランペットとトロンボーンのファンファーレが素敵です。
ウィンズスコアキャラバンの到着
キャラバンの到着は、ミュージカル映画「ロシュフォールの恋人たち」で使用されたおしゃれなメロディが有名な楽曲です。
取り組みやすい編曲ですが、トランペットに高音が登場し苦戦するかも知れません。
ジャズのリズムでワルツを吹いたりリズムチェンジが登場したりと忙しく、リズムを体に叩きこんで吹きこなしたいところです。
ウィンズスコア津軽海峡・冬景色/石川さゆり
曲目の雰囲気を変えたいなら、演歌を選んでみるのもおすすめです。
東北の雪国出身者としておすすめしたいのが、石川さゆりさんの津軽海峡・冬景色。冒頭で連続する3連符が聴く人の心を掴むことで有名ですよね。
原曲でも活躍するアルトサックスが、吹奏楽アレンジでも間奏で活躍。明るい雰囲気に飽きてきた、大人世代の心を掴みます。
ブレ-ンスピリティッド・アウェイ《千と千尋の神隠し》より
スタジオジブリの千と千尋の神隠しより、6曲抜粋した吹きごたえ抜群の楽曲です。
もともと吹奏楽コンクール用に編曲されたもので、原曲を忠実に再現した迫力が魅力。
演奏会のメインにしても満足できるでしょう。誰もが知っている楽曲で、本格派な演奏をしたいなら候補に入れたい1曲です。
ウィンズスコアJ-BEST ~平成メガコレクション~
こちらの楽譜は平成に大ヒットした名曲を集めたメドレーです。
平成のポップスには名曲が沢山あるので、吹奏楽ポップスにおすすめ。
メドレーでしたらより多くの楽曲が楽しめますね。
管楽器で演奏すると、歌手の人が歌うようなはっきりした発音が難しいもの。音がこもらないようにアーティキュレーションを意識して演奏したいですね。
ウィンズスコア彼こそが海賊
大ヒット映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」の名曲を吹奏楽ポップスへアレンジしました。
表現しやすい編曲になっているものの、金管楽器をはじめとするメインメロディが常に重厚感が必要で体力勝負な印象です。
迫力のある雰囲気そのままにバリっと決めれば、聴く人の心に残る演奏になるでしょう。
ウィンズスコアAnother Day of Sun 映画「ラ・ラ・ランド」より
映画「ラ・ラ・ランド」の踊りたくなるようなテーマ音楽です。
クラリネットから始まりさまざまな楽器に移り変わるメインメロディが耳に残ります。動きは簡単でもハイテンポで何度も繰り返されるので、遅れて重たくならないように注意。
軽やかに演奏して、会場の雰囲気を明るく持ち上げましょう。
アンコールの定番曲は?
Paradise Has No Border feat. さかなクン トロンボーン・トランペット ソロ
お魚博士のさかなクンがゲスト出演したことで有名な、東京スカパラダイスオーケストラの楽曲です。
原曲では、中学時代バスクラリネットを吹いていたさかなクンがバスサックスに挑戦。
大興奮のサウンドを吹奏楽ポップスで吹きやすく編曲しました。
アンコールで演奏すれば大盛況のままに最後を締めくくれることでしょう。
【ウィンズスコア】メイクハーマイン
原曲は1964年にイギリスのバンドが発表したこちらの楽曲。
日本でもCMで使われたり、映画「スウィングガールズ」で登場したりと耳にする機会が多いです。
かっこいいジャズのリズムですが、哀愁のあるメロディが耳に残ります。
吹奏楽ポップスアレンジでは、全員での迫力あるフレーズが多くて演奏時間も3分以内なのでアンコールの場面で盛り上がりが期待できます。
【ブレーンミュージック】SOUSA’S HOLIDAY ~星条旗よ永遠なれ
国歌と同じくらいアメリカの人々に愛されるこちらの楽曲を、おしゃれなジャズアレンジにしました。
日本では運動会などでよく耳にする行進曲ですが、リズムが変わっただけでワクワク感が増しますよ。
テンポが早いので細かいフレーズのアーティキュレーションを見落とすことなく、はっきり演奏したいですね。
爽快感のある音楽で演奏会の最後にピッタリです。
まとめ
吹奏楽ポップスについて解説し、名曲と演奏会におすすめの人気曲をご紹介しました。
吹奏楽ポップスを上手に取り入れれば、聴く人の心を惹きつけて一緒に盛り上がることができますね。
また、演奏する側も普段は使わない音域に挑戦したり、ソロで目立ってみたりといつもはできない経験が積めますよ。
吹奏楽ポップスのさまざまな楽曲に挑戦して、吹奏楽ライフをもっと楽しんでください。
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