やまびこ効果をもたらすことでおなじみのエフェクター「ディレイ」。
ギターソロをきらびやかに演出したり、リフで飛び道具的に使ってトリッキーな印象を与えたり、など様々なプレイスタイルを作り出すことができるエフェクターです。
ディレイには「デジタルディレイ」と「アナログディレイ」の2種類があります。
現在はデジタルディレイが主流で、様々なモデルが生産されていますが、どれを使ったらいいのか迷ってしまいますよね。
この記事では、デジタルディレイの特性や選び方、おすすめのデジタルディレイ10選をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
デジタルディレイとは
デジタルディレイとは、原音をそのままの音質で繰り返して鳴らすことができるのが特徴です。
輪郭がくっきりとした硬いディレイ音は、シンセサイザーなど打ち込み系の音楽と相性が良く重宝されます。
また、パラメータをかなり細いところまで設定できるタイプが多く、設定次第ではアナログディレイの様なウォームな音も作り出すことができます。
デジタルディレイとアナログディレイの違い
デジタルディレイとアナログディレイの違いを一言で言うと、原音に対してディレイ音がどのように出力されるか、ということになります。
アナログディレイは、古くは磁気テープによる「テープエコー」が主流でしたが、近年ではBBD(バケツリレー素子)という電子パーツによって、ディレイ音がアナログで出力されるタイプのものが多くなっています。
アナログディレイは、原音に対して劣化した音質のディレイ音が返されますが、逆に言えば原音を邪魔せずに聞かせることができるとも言えるでしょう。
一方デジタルディレイは、原音をデジタル変換して出力するため、原音と同じ音質のものをそっくりそのままディレイ音として返すことができます。
またデジタルなのでアナログディレイよりも長いディレイタイムをかけることが可能なので、「延々とディレイ音をフィードバックさせる」というようなこともできます。
デジタルディレイを使うメリット
音質がクリアでノイズが少ない
デジタルディレイの大きなメリットは、ノイズが少なく、くっきりとしたディレイ音を返すことができる点でしょう。
原音と音質が変わらないので、まるで何本も同じクオリティのギターを重ねているようなプレイを1人で作り出すこともできます。
シンセサイザーを使った現代的なデジタルミュージックとの相性は抜群です。
細かい数値設定が可能で多機能なモデルが多い
デジタルディレイのメリットは音質面の他に、機能性の高さとそのバリエーションの多さが挙げられます。
例えば、ディレイタイムをかなり細かいところまで設定でき、10秒ものロングディレイを返せるようなモデルもあります。
多機能がゆえ、もはやアナログディレイの音までシミュレーションできる機種もある程です。
デジタルディレイを使うデメリット
電力消費が早い電池で使わない方がいい
デジタルディレイはその性能の高さから、他のエフェクターと比べて電力消費が激しいのが難点です。
電池を入れて使用していると、あっという間に消耗してしまいます。
デジタルディレイ使用時には、アダプターやパワーサプライが必須になってくるでしょう。
デジタルディレイの選び方
求めている音
どのデジタルディレイを使用するかは、プレイするジャンルやスタイルなど「自分が求めている音が出せるか」を基準にまず考えてみましょう。
「バッキングで使用するのか」「ギターソロで使用するのか」など、自分が出したい音を出せるような機能が搭載されているかという点を踏まえて決めると良いでしょう。
プレイスタイルによっては、もしかすると「デジタルディレイよりもアナログディレイの方が合っている」ということもあるかもしれません。
価格帯
デジタルディレイは、1万円以下のものから5万円以上のものもあるなど価格帯が幅広いです。
機能と「自分の求めている音」、そして価格を照らし合わせて判断すると良いでしょう。
ビジュアル
プレイヤーにとって、エフェクターボードに並んだ時のビジュアルを楽しむのもまた一興です。
メーカによって特徴的なデザインが施されているので、見ているだけでも楽しくなってきますよね。
音質や価格など実利的な面を度外視して、ファーストインプレッションで選んでみるのも面白いかもしれません。
デジタルディレイおすすめ10選
TC Electronic(Flashback 2 DELAY & LOOPER)
デジタルディレイの定番中の定番と言えば、TC ElectronicのFlashbackです。
このエフェクターも、テープエコーやアナログのサウンドをシミュレートできる機能を備えているので、コストパフォーマンスが高い機種と言えるでしょう。
本モデルの特徴は、感圧式になっているフットスイッチを踏み込むことでエフェクトのミックス・バランス、モジュレーション、フィードバックをコントロールできる「MASH機能」がついていることです。
もちろんルーパー機能や、既存のプリセットを読み込めるTonePrint 機能なども搭載しており、多彩なサウンドを楽しむことができます。
デジタルディレイの使い方
ショート・ディレイ
ディレイタイムを短く(10~100ms)設定し、アルペジオのように聞かせる手法です。
限界まで短く設定し、フィードバックを1回のみにすることで、リバーブのような残響音を擬似的に作ることもできます。
ロング・ディレイ
300ms以上の長いディレイタイムに設定することで、ギターソロなどリードプレイで効果を発揮します。
ロング・ディレイはアルペジオでも使えるテクニックです。
曲のテンポに対して2拍3連や1拍3連に設定することでトリッキーな効果を演出できます。
タブラー
ショート・ディレイよりもさらに短いディレイタイムに設定することで、2人でユニゾンしているようなコーラス効果を出すことができます。
デジタルディレイの代用品は?
デジタルディレイの代わりとなるようなエフェクターとしては、テープエコーが挙げられます。
ただ自然な反響音というニュアンスのテープエコーに対し、ディレイは人為的な処理を施した残響音ということになり、厳密には性質が違うものです。
ディレイを表現できるエフェクターというものは多くありませんが、ディレイエフェクターでリバーブやエコーの効果を擬似的に作り出せるものは数多くあります。
デジタルディレイの自作方法は?
デジタルディレイは自作することもできます。
自作キットを購入することで、既存のエフェクターを購入するより安く済ませることもできますが、それなりに手間もかかります。
専門的な知識でもない限り、初心者には少しハードルが高いかもしれません。
まとめ
ディレイにはアナログディレイとデジタルディレイがあり、さらにリバーブやエコーなど似たような効果を出せるエフェクターも多くあります。
最初はどれを使えば良いのか迷ってしまいますが、「どういう音を出したいか」というイメージさえ掴めば、どれを選べば良いのかという答えも自ずと出てくるでしょう。
今回は、ディレイエフェクターでも多機能なモデルが多くラインナップされているデジタルディレイについて解説しましたので、ぜひエフェクター選びの参考にしてみてください。
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