フルートには頭部管の上部に重要な部品が集まっていますが、そのうちの1つが「フルートコルク」です。
フルートコルクは消耗しやすく、定期的に交換が必要ということをご存知でしたか?
今回は思わぬ緊急時にも使える、フルートコルクおすすめ10選をご紹介します。
気になる交換時期や交換方法など知っておきたい情報も満載ですので、ぜひご覧ください。
フルートコルクとは
フルートコルクとは、頭部管に入っているヘッドコルクのことを言います。
頭部管の最上部にあるキャップのような部品(「ヘッドスクリュー」または「ヘッドキャップ」)と、「反射板」と呼ばれる金属板との間に挟まっているものです。
管楽器は管の長さによって音程が変わりますが、フルートは反射板の位置とキーのふさぎ方によって管内部の長さが変化し音程が決まるようになっています。
反射板と隣りあわせに存在するヘッドコルクやヘッドスクリューの状態も反射板の位置に影響し、フルートの音程を変える部品だと言っていいでしょう。
コルク自体も管の密閉性を左右する部品で“音質”にも大きく関わりますので、フルートコルクは“音質”と“音程”の両方で重要な役割を担う部品です。
フルートヘッドコルクの交換時期
フルートヘッドコルクは縮んだり痩せたりして消耗しやすいため、定期的な交換が必要な部品です。
演奏頻度や保管状況などで個人差はあるものの、おすすめの交換時期は約1年と言われています。
本体に付属しているクリーニングロットを定期的に頭部管へ差し込み、反射板のズレを確認するのもコルクの消耗を発見する目安になるかもしれません。
また音色や音量などに変化が生じたり音の鳴りが弱いと感じたりするときには、コルクの劣化によって管内部の密閉性が失われてしまっていることもあるそうですよ。
コルクは定期調整や修理に出した際には必ず確認してもらえる部品だそうですが、日頃から意識的に演奏時のコンディションに目を向けていると良いでしょう。
フルートコルクにこだわるメリット
響きのある音色になる
フルートコルクは管内部の密閉性に大きく関わっています。
コルクで頭部管を密閉し管のなかで音がしっかり響く状態にするからこそ、密度や響きのある良い音色で演奏できると言えるでしょう。
逆にコルクが消耗していると歌口に吹き込んだ息や音の響きが逃げてしまい、全体的に薄い音色になってしまいます。
無理のない音量で演奏できる
フルートコルクの密閉性は音量にも大きく関わります。
音の密度や響きが損なわれると音量も小さくなってしまうからです。
正常な状態のコルクを使うことにより、自然な息づかいで音量調節しながら演奏することができます。
適正な音程で演奏できる
頭部管上部にある反射板の位置は音程を決めるうえで重要な部品です。
そして反射板と密接しているコルクやヘッドスクリューもまた反射板の位置に大きく影響していると言えるでしょう。
たとえばコルクに縮みや痩せが生じた場合、その隙間が原因で反射板の位置がズレてしまうことがあります。
音程のズレはヘッドスクリューの緩みも関係しているため、一概にコルクだけが原因になるわけではありません。
しかしコルクの状態を正常に保つことが、適正な音程の維持につながると言えるでしょう。
フルートコルクの選び方
フルート本体のメーカーから選ぶ
フルートコルクを選ぶ際には、まずフルート本体のメーカーを確認すると良いでしょう。
- YAMAHA
- ムラマツ
- アルタス
- パール
- 三響
などが有名です。
フルート本体とコルク製品のメーカーを同じにすることで、選んだ部品がより楽器になじんでくれます。
コルク製品のメーカーから選ぶ
フルート本体のメーカーを確認した後は、フルートコルク側のメーカーも確認しましょう。
ここでフルート本体と同じメーカーの製品があれば、そちらを選ぶと間違いありません。
楽器本体と同じメーカーの製品がない場合は、楽器そのものや楽器の部品販売に長けているメーカーを選ぶと安心です。
楽器は非常に繊細なので、なるべく信頼のおけるメーカーを選ぶようにしましょう。
サイズや性質から選ぶ
コルク製品にはサイズが記載されているものがあります。
頭部管に入らない場合もあるので、事前にコルクのサイズは確認しておくようにしましょう。
また本来フルートのヘッドコルクには天然コルクが使用されています。
製品情報を見て「天然コルク」と明記されているものを購入すると比較的安心です。
フルート本体からヘッドコルクを取り出すのはおすすめしませんが、もともと入っているコルクと似たものが選べればより確実と言えますね。
どのようなコルクが入っているのか把握している場合は、製品画像と見比べてヘッドコルクの見た目や性質が似ているものを選びましょう。
口コミを確認して選ぶ
市販のフルートコルクは、製品に対する口コミや評価数が少ない傾向にあります。
口コミや評価が集まっている場合は、その内容が良ければある程度信頼のおける製品だと言えるでしょう。
値段から選ぶ
ヘッドコルクの交換は繊細で専門的な作業になるため、楽器店へリペア・修理に出すのが一般的です。
やむを得ない状況など緊急時に購入・交換する場合は、本来楽器店にお願いする値段と同じくらいかそれより安く済ませたいところですよね。
楽器店でのヘッドコルク交換は一番安いところで2,000円弱~の値段設定になっているようです。
自分でコルクの購入・交換を検討する際は、2,000円弱のラインを目安に選ぶと良いでしょう。
フルートコルクおすすめ10選
不明フルートヘッドジョイントコルク(19478079)
フルートヘッドジョイントコルクフルート修理部品木管楽器の交換
天然木コルクフルートコルク.少数の穴
フルート修理部品の優れた交換
素材:コルク
...
8つ目はメーカー不明ですが、かなりお得にヘッドコルクが購入できる製品となっています。
サイズは約3 x 1.8 x 1.8cm。
天然木を使用したコルクで、表面の穴が少なく密度の高いつくりをしています。
製品画像を見ても品質に問題はなさそうですし、何より10個入りなのもお得で嬉しいですね。
内容量が多いため、複数人用に購入するのもおすすめです。
フルートコルクの使い方
ヘッドパーツに取り付ける
フルートコルクの使い方を簡単に言えば、「頭部管のヘッドパーツに取り付けるだけ」です。
しかしおすすめ10選で製品を紹介した際のように、コルクのサイズにはそれぞれ違いがあります。
どれだけフルートのサイズを確認したとしても、「実際に購入したコルクが合わない」なんてこともありそうです。
サイズが合わない場合は紙やすりで削って調整するのが、有効な対処方法と言えるでしょう。
コルクのサイズを調整した後はヘッドパーツへの取り付けに入りますが、詳しい方法はこのあとの「フルートヘッドコルクの交換方法」をご覧ください。
フルートヘッドコルクの交換方法
フルートヘッドコルクの交換は重要かつ繊細な作業になるため、基本的にはプロの修理師やリペア師に依頼するのがおすすめです。
しかし緊急時には自分自身で交換しなければならない場面もあるかもしれません。
気になる交換方法について簡単にお伝えします。
コルクを柔らかくする
まずは木材などを使いコルクに体重をかけながら前後に転がしていきます。
コルクを“詰める”この作業は、専門用語で「なます」というそうです。
この作業で見た目に大した差は出ないものの、コルク自体は縮んで柔らかくなっている状態となります。
ヘッドパーツに取り付ける
次にヘッドパーツのネジにコルクを通します。
上から座金・コルク・反射板の順になるようにネジに通し、座金でコルクを仮固定しましょう。
座金とは反射板と似たような丸い形の金属パーツです。
コルクパーツを頭部管に押し込む
フルートの頭部管は上部が徐々に細くなるように作られているため、管の下から②のヘッドパーツを押し込んでいきます。
こちらはかなり力が必要な作業になるため、なるべく材質の固い棒を用意しておきましょう。
頭部管にヘッドパーツを指でいれたら、反射板に棒を当ててヘッドパーツをどんどん押し込んでいきます。
お腹を使ったり、最後は椅子を使ったりして奥まで押し込みましょう。
クリーニングロットを使って微調整をする
ある程度奥までヘッドパーツを押し込んだら、最後にクリーニングロットを使って微調整を行います。
ヘッドパーツの最後部にある反射板の適正な位置は、歌口から17mmで、クリーニングロットの下部にある3本線の真ん中がその位置にあたります。
クリーニングロットを頭部管に入れた際に、歌口の中央に真ん中の線が来るようにすれば良いです。
線の位置を常に確認しながら、クリーニングロットで反射板を押し込んで調整します。
座金を固定する
反射板が適正な位置まで来たら、②でコルクを仮固定した座金を軽く締めて固定しましょう。
ヘッドスクリューを締める
座金を固定したら、最後は頭部管の最上部にあるヘッドスクリューを締めていきます。
この作業が終わればコルクの交換は完了です。
ヘッドスクリューの緩みはコルクや反射板の位置が変わってしまう原因にもなるので、適度な加減で締めるようにしましょう。
またヘッドスクリューをきつく締めすぎても位置が変わってしまうので、その点も注意が必要です。
フルートコルクの代用品は?
フルートコルクの代用品は「ない」というのが結論でしょう。
ヘッドコルクは楽器の音質と音程を担う重要な部品です。
リペア師や修理師に依頼せず、自分自身で用意したり交換したりするのがそもそものリスクとなります。
ヘッドコルクを手元に用意したい場合は、少なくとも「フルートコルク」や「フルートヘッドコルク」として販売されているものを購入するのがおすすめです。
まとめ
今回は気になるフルートコルクについて、おすすめの商品や交換方法などをご紹介しました。
フルートコルクは頭部管の隠れた部分に存在していますが、演奏においてとても大切な役割を担っています。
適切な交換を行い、より良いコンディションで演奏に臨めると良いですね。
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