ピアノを弾いていると、グランドピアノの美しい形と響きに憧れることがあるのではないでしょうか。
筆者自身、グランドピアノを迎え入れることになった日、とても嬉しかったのを昨日のことのように思い出しますが、調律師さんには「ピアノにはなるべくカバーはかけないほうが良い」と教えてもらいました。
しかし、ピアノをリビングの一角に置くことになったため、「どーん」と黒い物体がいきなり現れた部屋は、少し暗い感じになってしまったのです。
そこで、悩んだ末にグランドピアノカバーを購入したことで、お部屋が明るくなりおしゃれな雰囲気になりました。
その経験を元に、グランドピアノカバーのおすすめを、おしゃれな人気商品を中心にご紹介していきます。
グランドピアノカバーとは
グランドピアノカバーとは、グランドピアノの上部の蓋(屋根)からピアノ内部を全て覆うことのできるカバーです。
一般的には上部分だけをカバーするものが多く、中には脚柱まで全体をカバーできるものもあります。
黒いカバーで覆われている姿は、学校やピアノ教室などでも見たことがあるかもしれません。
カバーには、レースのものから高級感のあるジャカード織のもの、かわいい模様のものなど、さまざまなデザインがあります。
グランドピアノの形に合わせて作られていて、カバーをかけたままでも鍵盤の蓋を開ければすぐに演奏することが可能です。
グランドピアノカバーを使うメリット
湿度や温度などが人間にとって過ごしやすい環境は、ピアノにとっても良いと聞いたことがありませんか。
なるべくなら、ピアノにとっても負担のない部屋に置いてあげたいところですが「スペースを考えるとここしかない…」という場合もあるでしょう。
そんなときに、カバーをすることで悩みを解消できるかもしれません。
強い日光から守ることができる
ピアノは主に木でできていますが、日光に当たり続けていると乾燥し、木の部分が割れてしまうこともあります。
日焼けによって塗装が色あせし、ヒビの原因になる場合もあり、ピアノにとっても紫外線は良くないものなのです。
なるべく直射日光の当たらない場所にピアノを置くことが大切ですが、難しいところですよね。
カバーで遮光すれば、直接日が当たらないようにできます。
傷からピアノを守ることができる
鏡面仕上げのピアノは細かい擦り傷がつくと、どんどん輝きがくすんでいってしまいます。
グランドピアノは頑丈なイメージがありますが、ちょっと硬いものをぶつけただけで、傷がついてしまうことがあるのです。
筆者自身も、カバーをかけていなかったときにペンで傷をつけてしまったことがありました。
幸いにも目立たないところでしたが「カバーさえしていれば!」とその傷を見るたびに後悔しています。
ほこりや汚れからグランドピアノを守ることができる
ほこりはなぜかピアノが大好きで、気づけばたくさん積もっていることがあります。
屋根は大きいので、いざお掃除をしようと思ってもなかなか大変です。
また、置く場所によっては油汚れにも注意が必要です。
キッチンが近い場合、油とほこりで汚れが固まってしまうこともあります。
汚れから守るために、カバーがあると安心できますね。
ケガの予防にもカバーが活躍
グランドピアノに体をぶつけてしまった経験、ありませんか?
もしグランドピアノに体をぶつけてしまいがちな方は、カバーがあると目印のようになりケガの予防にもなります。
お子さんの頭や目線がちょうどピアノの鍵盤あたりの時には、長めのカバーがあると安心ですよ。
ピアノを部屋になじませることができる
お部屋のインテリアと合わせた色合いを選べば、あとから迎えたグランドピアノも自然になじむことができます。
グランドピアノはなかなか動かすことができませんから、カバーを変えて雰囲気をチェンジするのも良いですね。
後ほど紹介するグランドピアノカバーのリストにも、いろいろなデザインがありますので参考にしてください。
グランドピアノカバーを使うデメリット
グランドピアノを守るために使うカバー。
でもカバーの種類や素材、使い方によっては逆にピアノを痛めてしまうこともあります。
こちらは調律師さんから教えて頂いた注意点も交えて、デメリットをご紹介します。
風通しが悪くなる
ピアノに湿気は大敵です。
蓋の上からカバーをしたままにしてしまうと、湿気がこもってしまい、場合によってはカビやサビが発生することがあります。
アップライトピアノならピアノの中に除湿剤などを入れて対策が取れるのですが、グランドピアノでは構造上むずかしく、現実的ではありません。
カバーをするなら、定期的に屋根を開けて風を通したり、グランドピアノを置いてある部屋全体を除湿することも必要になります。
防音にはならない
グランドピアノの屋根を閉じた状態でさらにカバーをすれば、音は小さくなるかもしれないと思うかもしれません。
グランドピアノの内部には大きな響板があり、ボディ全体に音を共鳴させて音を響かせるという仕組みになっています。
つまり、上だけでなく下からも音が出ているのです。
グランドピアノのカバーは、ほとんどが上の部分のみのカバーになっているので、あまり防音にならないでしょう。
カバーのメンテナンスも必要
グランドピアノフルカバーは多くはデリケートな素材でできています。
クリーニングに出す手間や、費用などが必要になってくるでしょう。
家でお手入れができる素材でも、大きさによっては洗濯機に入らなかったり、干す場所に困ったりすることもあります。
グランドピアノのサイズにピッタリ合わせて作られているカバーですから、洗濯で縮んでしまったら大変です。
あらかじめ、クリーニングの方法も購入前に確認しておくと良いでしょう。
グランドピアノカバーの選び方
ピアノにやさしい素材にする
湿度問題を考えると、レースのカバーがおすすめ。
薄い生地でレースなら、風通しもよいでしょう。
ただ、一つ気をつけたいのは、レースはほこりや汚れ防止にはならないとうことです。
うっかりお手入れをサボってしまうと、ほこりでレース模様がピアノに描かれていたということも…。
適度にカバーのお手入れも必要ですが、レースは身近な素材でおすすめです。
部屋になじむデザインを選ぶ
グランドピアノが置いてあるお部屋に合わせてカバーを選ぶと、イメージも湧きやすいですね。
家具や壁紙の色と合わせて探すこともできますし、あえてカバーを差し色にしてもおしゃれなインテリアとして演出することができます。
カバーにもう一枚飾り布をかけて、アクセントをつけるのもおすすめです。
季節ごとに飾り布を変えて、演出を楽しむのも素敵ですね。
グランドピアノの周りだけ別世界にする
いつも見慣れたお部屋でも、グランドピアノのカバーがおしゃれなデザインなら、まるで別空間で弾いているかのような気分になれます。
グランドピアノを弾く時間だけは非日常を感じたい方におすすめの方法です。
練習中、カバーは常に視界に入りますので、あえてお部屋と違うデザインにすることで練習にすっと入っていける環境を作ることができますよ。
子どもが好きなデザインにする
ピアノ教室や、お子さんがピアノを弾くという方におすすめなのは、やはりかわいいデザインを選ぶことです。
違う色もありますが、黒色でどーんとしたグランドピアノに見慣れないお子さんは戸惑うこともあるでしょう。
教室ならカバーの絵柄を見せて和ませたり、お話のきっかけになったりすることもあるでしょう。
お子さんが好きなデザインなら、ピアノに親しみを持ってくれるかもしれませんね。
グランドピアノカバーおすすめ10選
こちらではデザインや素材など、さまざまなタイプのカバーを選んでみました。
一般的に広く使われているグランドピアノのサイズ(ヤマハC3モデル)の大きさを基準にしましたので、価格帯などの参考にしてください。
※ C3モデルでも製造年によってカーブの角度等が変わっています。
購入の際は、製造番号等と照らし合わせて確認してくださいね。
吉澤GP-686TG グランドピアノカバー ヤマハC3X用(ASIN: B08F23XBYY)
お部屋をパッと明るくしてくれる色合いと、模様が美しいデザインです。
細かい模様はよく見るとト音記号のエンブレムになっているのがおすすめなカバー。ジャカード織にフリルでさりげない高級感があります。
YAMAHAグランドピアノ フルカバー GPFCC3-1(ASIN: B08FFTRYBC)
グランドピアノのカバーといえばこちら。
黒地に赤の裏地、金糸で刺繍されたロゴのカバーはヤマハの純正品です。
学校やコンサートホールなどでも見かけるカバーですね。
どこか威厳のある佇まいには、ピアノを守ってくれる安心感があります。
吉澤GP-814W グランドピアノカバー ヤマハC3X用(ASIN: B08F2179YD)
レースの小花柄がかわいらしい軽やかなカバーです。
実はわが家はこちらのタイプを使用しています。
鍵盤部分にはカバーがありませんが、鍵盤の蓋を開けるときに干渉しないので練習に向かうときのわずらわしさがありません。
アルプス工業グランドピアノカバー アルプス G-UX-BE(YAMAHA C3X/1991年以降製造C3用)(ASIN: B07JD1CMBC)
お部屋になじみやすい落ち着いた白でシンプルなデザイン。
あまり凝ったデザインでないもので部屋が暗くならないようにしたいという方におすすめです。
まるで鍵盤の白を思わせる色は、長い時間練習していてもなんだかホッとする存在です。
アルプス工業グランドピアノカバー・ビロード G-LB/BR(ブラウン)180~190未満/C3・G3・RX-3(ASIN: B00622E57E)
シックなブラウンに光沢のあるビロード生地のカバー。
大きなフリルが目を引きますが、深い色合いが甘さをおさえています。
ピアノの形にピッタリと沿ったカバーなので、ずり落ちる心配もありません。
カスタムオーダーもできる製品なので、家にあるピアノに合うカバーが見つからない…という方に。
アルプス工業 グランドピアノカバーG-BX 180~190未満/C3・G3・RX-3等(ASIN: B01LHD17GE)
リーフ模様でナチュラルなイメージでありながら、ジャカード織が高級感も醸し出すカバーです。
ダークベージュで明るいベージュよりも一段落ち着いた色合いは、和室などにも合うでしょう。
ちょっと物足りないな、というときには濃い飾り布でアクセントを出すと素敵なインテリアになりますよ。
アルプス工業グランドピアノカバー・ジャガードG-RE(オーダーメイド)(ASIN: B0061ZWK10)
黒いピアノにワインレッドのカバーは定番ともいえる色合わせでしょう。
生地にはリーフ模様が全体に施されており、高級感あふれるデザインです。
ちょうどピアノの上部分を全て覆う形になっているので、傷・汚れ予防にも適したフルカバーですね。
オーダーメイドなので、ピアノの型番が分からなかったり、自分のグランドピアノにぴったりなカバーが欲しい方におすすめです。
吉澤GP-440BK グランドピアノカバー (ASIN: B08F1XNMGZ)
やっぱりピアノには黒のカバーが欲しいけれど、かわいいデザインがいいという方にはこちらのカバーはいかがでしょう。
白いパイピングがカバーをぐるりと一周して、中央にある曲線のラインとト音の刺繍がアクセント。
飽きることなくずっと使えるシンプルな色で、子どもから大人まで幅広い世代におすすめです。
生地も光沢が強いものではないので、カジュアルな印象です。
吉澤GP-691LP グランドピアノカバー ヤマハ C1X用 受注生産(ASIN:B08F1WFNGX)
お部屋に花が咲いたような華やかさを与えてくれる、ピンクのカバーも素敵ですね。
黒のピアノにかけるとコントラストでよりピンク色が映えますし、白いグランドピアノにもぴったりの色です。
別売りですが椅子カバーと合わせると、さらにかわいい空間になりますよ。
生地には薄く花の模様が印刷されていて、気分も明るくなるデザインです。
こちらは受注生産となっています。
甲南グランドピアノカバー ソナタ ブルー SONATA(商品番号: KONAN 10137051)
ピアノのカバーで寒色は意外と少ないのですが、こちらは爽やかなブルーが鮮やかで目をひきますね。
さりげなく白で描かれた音符の模様が小さいながらもアクセントになっています。
青系のカバーを探していたという方にぜひおすすめです。
グランドピアノカバーの使い方
形も特殊なグランドピアノのフルカバーですが、使い方はとても簡単です。
グランドピアノカバーのかけかた
さっそく届いたカバーをピアノにかけてみましょう。
広げると、どこがどの部分になるのか、わかりにくいことがあるので慌てずに。
直線の部分を探し、屋根の形が見つかったら一安心です。
屋根の形に合わせて置いたあと、側板に沿ってカバーを下ろせば綺麗にかけることができます。
サイズがぴったりの場合は、屋根の先の曲線部分を合わせてからかけると、うまくいきますよ。
演奏するときは外す?そのまま?
ほとんどのグランドピアノカバーは、屋根を開けなければそのまま演奏が可能です。
譜面台の部分も、開けることでカバーが挟まり干渉しないかを確認してから開けると良いですね。
屋根を上に上げるときは、閉じた状態のうちに外しておきましょう。
カバーをかけたまま無理に屋根を上げようとすると、手が滑り、怪我や事故の原因かになってしまうこともあります。
クリーニングやお手入れの方法
専門店などで購入した場合は、あらかじめお手入れについても聞いておくと良いでしょう。
家庭で洗えるものなら、手洗いや洗濯機のドライモード(デリケート洗い)などでおて入れ可能です。
その際、洗剤はデリケート素材用のものを使用し、脱水しすぎないようにしましょう。
グランドピアノカバーの代用品は?
屋根から側板まで覆える大きな布であれば、手芸店などで購入できる生地や、マルチカバーで代用が可能です。
ただし、ピアノの表面は滑りやすいため、代用の布をかけただけではツルツルと落ちてしまう可能性があります。
何度もかけ直すのは手間ですし、上に物を置いているとさらに危険です。
できればグランドピアノ専用のカバーをおすすめします。
グランドピアノカバーの手作り方法は?
決して安い物ではないグランドピアノのカバー。
手作りすれば、費用が抑えられるかもしれません。
形はシンプルですので、裁縫が得意な方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
簡単な作り方は、こちらの動画にも詳しくあります。
グランドピアノカバーを製作しているメーカーのものなので、とてもわかりやすいですよ。
作り方を見ると意外とシンプルなパーツでできているので、家庭科の知識だけでも作れそうです。
まとめ
グランドピアノのカバーは、以前と比べて今では悩んでしまうほどたくさんのデザインがあります。
グランドピアノを大切にしたいからこそ、カバーもしっかり納得できるものを選びたいですよね。
ピアノとの生活が素敵なものになるよう、少しでもお手伝いができれば幸いです。
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