サックスマウスピースの選び方!初心者でも失敗しない選定方法を紹介

マウスピースはサックスの音色をアレンジできる便利なアイテムです。

付け替えるだけでサックスの音色を変えることができるので、実はサックスのなかでもこだわりたい重要なパーツ。

しかし、マウスピースには特徴や大きさが違うものが数多くあり、目指したい音色にするにはどのマウスピースを選べばいいのか迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。

この記事では、目指したい音色にあわせたサックスマウスピースの選び方を解説します。

目次

サックスマウスピースとは

マウスピースとは、サックスの最も口元近くに取り付けるパーツのこと。

リードをあててリガチャーで固定したら、直接息を吹き込んで使うもので、サックスの音色の根幹となる振動を作る重要なアイテムです。

ソプラノサックスからバリトンサックスまで楽器に合ったサイズが展開されていて、単体で吹いた時の音程も違うもの。

材質や微妙な形状の違いで様々な種類があり、マウスピースを取り替えるだけで音色を変えたり吹き心地を良くしたりして楽しめます。

演奏する曲の雰囲気によってサックスマウスピースを使い分ければ、もっとサックスが楽しくなりますよ。

サックスマウスピースの寿命は?

リードのような頻度ではありませんが、マウスピースも定期的な取替えが必要な消耗品です。

基本的には破損しなければ使えますが、材質によっては衝撃に弱いものもあり、くわえるときに歯がぶつかっただけで欠けることも。

少しの衝撃で本来の音色が出せなくなるトラブルに陥りかねません。

また、見た目に傷がなくても落としたことで音質が変わってしまうので要注意です。

転がしたり落としたりしないように、サックス本体並みの注意を払って使用しましょう。

丁寧に扱っている場合でも摩擦による消耗は避けられませんので、定期的に点検することが大切です。

早い人は半年で買い替えることも。

年に1度と決めたり、スケジュールの節目などで確認すると決めておくと良いかもしれませんね。

サックスマウスピースの特徴は?

サックスマウスピースは素材の違いによって音色が変化します。

主な材質と特徴を解説します。

エボナイト

エボナイトはゴムの一種に分類される素材で、天然ゴムに硫黄を加えたもの。

クラシックや吹奏楽で使われていることが多く、くせのない安定感のある音色が目指せます。

商品の紹介で「ハードラバー」と書いてあれば、エボナイト製のマウスピースです。

プラスチックよりも丈夫だと言われていますが、実は変形しやすく歯がぶつかっただけで傷が付くことも。

取り扱いには十分に注意したいマウスピースです。

プラスチック

安価で初心者モデルのサックスに付属していることが多いのが、アクリル樹脂フェノール樹脂といったプラスチック製のマウスピースです。

吹奏感が軽いのが魅力で、サックスを始めて間もない、抵抗感のあるマウスピースが苦手な人におすすめ。

ただし、その軽さゆえに音質はいまひとつです。

個人で吹くぶんには気になりませんが、ほかの演奏者とハーモニーを作るような繊細な音が求められる場面では、エボナイトのマウスピースが適しているでしょう。

メタル

ジャズでよく使用されているマウスピースは、メタル(金属)でできています。

バリッとした力強い音色がでるので、ジャズなどのソロが多い楽曲でサックスのかっこよさをたっぷり引き出します。

素材にいくつか種類があり、サックス本体にも使用されているブラス(真鍮)やブロンズのほか、ステンレスのものも。

表面のメッキ仕上げに使われる素材によっても、音質の変化を楽しめます。

サックスマウスピースの大きさ

マウスピースは各部位の大きさによって音色が変わるので、とくに注目したいポイントをご紹介します。

ティップオープニング

リードとマウスピースの間の先端部分の開きのこと。

特徴は以下の通りです。

ティップオープニングが狭い

  • 初心者でも鳴らしやすい
  • 繊細な表現がしやすい
  • 透き通った柔らかい音色が得意

ティップオープニングが広い

  • 多くの肺活量が必要
  • コントロールが難しい
  • 大きくてパリッとした音色が得意

フェイシング

先端からリードが接着する部分までの距離で、短くなるほど明るめの音色に、長くなるほど暗めな音色になります。

サックスマウスピースを選ぶ際の注意点

音色に直結する部位ではないのですが、選ぶときに注意したいのが差し込み口のサイズ感。

マウスピースを差し込むときにきつくて入らなかったり、緩くて回ってしまうことがあります。

楽器と同じメーカーのマウスピースでしたら、サイズ感を考慮した設計になっていることが多いですが、違うメーカーも使いたいですよね。

サイズが合わない場合は、ネックコルクを調整しましょう。

きつさを感じるときはコルクを削り、反対に緩いときはコルク部分にクリーニングペーパーなどを巻きつけて調整します。

自分で調整するのが不安でしたら、楽器店にコルクの巻き直しを相談してくださいね。

サックスマウスピースの音程

マウスピースだけで吹いてチューナーをみると、決まった音程になると思います。

マウスピースの種類やアンブシュア(口の形)の締め具合が人によって違うので、この音程が正解というものはないのですが、自分の出した音程を利用して、以下のようなアンブシュアの練習に役に立ちます。

  1. 普通に吹いて音程を確認。
  2. アンブシュアをゆるめて音程を下げる。
  3. アンブシュアを締めて音程を上げる。

この練習の目的は、アンブシュアを柔軟にコントロールできるようになることです。

もし、音程を上げようとしてもできなければ、アンブシュアきつすぎるかもしれません。

プロのサックス奏者でない限り、アンブシュアをきつく締めすぎている場合が多いもので、とくに高音域のピッチが高くなりがちです。

上手に音程を変えることができれば、サックス本体を付けた演奏でもピッチを合わせるのに困りません。

マウスピースだけだと音が気になる人は、ネックも取り付けた状態で練習してみてくださいね。

サックスマウスピースとリードの相性とは?

一般的には以下のような組み合わせが吹きやすいとされています。

  • ティップオープニングが広い×柔らかいリード
  • ティップオープニングが狭い×硬いリード

この組み合わせを無視して、「ティップオープニングが広い×硬いリード」にしてみるとどうでしょう。

隙間が広いぶん息が沢山必要なうえに、リードがなかなか振動しないので音を鳴らしづらく感じると思います。

「ティップオープニングが狭い×柔らかいリード」では、柔らかくしなるリードがマウスピースにくっつき、こちらも鳴らしづらくなります。

各メーカーさまざまなマウスピースとリードを展開していますので、色々試してみてベストな組み合わせを探してみてくださいね。

サックスマウスピースにこだわるメリット

音色がよくなる

サックスマウスピースにこだわる最大のメリットが、音色の変化です。

サイズや素材にこだわってマウスピースを選べば、最短で理想の音色に近づけます。

劣化による音質の低下を防ぐ

先ほどもお伝えした通り、マウスピースは消耗品です。

お気に入りのマウスピースでも摩擦を受け続けることで、いつかは理想の音色がでなくなります。

普段からサックスマウスピースの点検をしたり予備を購入したりして、マウスピースが劣化したときに取り替えられるようにしておきましょう。

サックスマウスピースの使い方

マウスピースの使い方をご紹介します。

全体を通して注意したいのが、ぶつけたり落としたりしないこと。

サックス本体と同じように、落ち着いた丁寧な扱いを心掛けてくださいね。

事前準備

使用前にマウスピースパッチを貼りましょう。

マウスピースの保護をして寿命を伸ばすほか、アンブシュア(口の形)を安定させる効果があります。

音質に微妙な変化が起こるのは避けられませんが、それ以上に貼るメリットの方が上回りますので、個人的には貼ることをおすすめします。

使用手順

  1. マウスピースをネックに取り付ける
  2. リガチャーをマウスピースにくぐらせる
  3. 湿らせたリードをマウスピースに取り付ける
  4. リガチャーのねじをリードが動かない程度に締める
  5. リードが左右に片寄っていないことを確認する

マウスピースをネックに取り付ける際は、リードを押さえたときにマウスピースの黒い部分が髪の毛1本分見えるくらいの位置が理想です。

この段階でリードを取り付ければ、リードの先端がぶつかって欠けてしまうリスクを抑えることができます。

リガチャーの位置はマウスピースの基準線に合わせるか、リードの削り加工が始まるラインに合わせたり、マウスピースの中央に合わせたりするのが一般的です。

ねじを締めるときはきつく締めずに、演奏に困らない程度に固定できたら十分です。

お手入れ方法

サックス本体やネックのようにスワブを通してお手入れしたくなるのですが、あまりおすすめしません。

スワブの摩擦によって消耗し、寿命を早めることも。

水洗いして水気を軽く拭き取ったら、自然乾燥させるのが理想です。

まとめ

今回は、サイズや材質に着目しサックスマウスピースの選び方について詳しく解説しました。

小さくてかわいい見た目に反して、選ぶ基準がたくさんあると感じたと思います。

マウスピースの数と、それを吹くサックス奏者の数だけ違った音色が存在します。

目指したい音色に合わせたお気に入りのマウスピースを見つけて、自分だけの音色を楽しんでくださいね。

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