ライドシンバルは、ハイハット以外でリズムを刻む際に重要な楽器です。
ジャズの演奏時には、ライドシンバルが無くては演奏が成り立たないくらいの役割を担っています。
そこで今回は、ライドシンバルの概要・選び方・使い方・ライドシンバルにこだわるメリットやデメリットについてご説明していきます。
この記事を読むだけでライドシンバルについての理解が深まり、よりシンバルにこだわりを持つことでしょう。
ジャズドラマーに憧れる初心者の方や、ある程度ドラム経験がありジャズをやってみたいという経験者ドラマーにとっても有益な情報をご紹介するので最後までお付き合いください。
ライドシンバルとは
名前の由来
ライドシンバルの名前の由来はドラムセットの誕生時にまで遡ります。
当時よく演奏されていたジャズにおいて、ライドシンバルを多用してリズムパターンを演奏していました。
そのため「ビートを乗せる(ライド)」という意味からライドシンバルと呼ばれるようになり、現在に至ります。
別名としてトップシンバルとも呼ばれることもあります。
用途
名前の由来や歴史的な使われ方から、リズムを刻むために使用することがメインの用途です。
特にジャズに関してはハイハット以上にライドシンバルを用いて4 ビートなどのリズムパターンを演奏するので、必須のシンバルと言えます。
大きさ、形状
大きさは18インチ〜22インチとドラムセットの中でも1番大きいシンバルとなることが多く、中には24インチとバスドラムよりも大きなシンバルが使用されることもあります。
形状は大きく3つに分けられ、シンバルの盛り上がった部分である「カップ」、縁の部分である「エッジ」、カップとエッジの間の部分を「ボウ」とそれぞれ呼びます。
セッティング位置
セッティング位置としては利き手側に置かれることが多く、ラックやスタンドにマウントすることで使用可能に。
利き手側に位置することで演奏がしやすく、細かいニュアンスの違いを叩き方で出したり、カップやエッジ、ボウなどそれぞれ使い分けやすくなります。
クラッシュシンバルとの違い
商品名に「ライドシンバル」及び「クラッシュシンバル」と明記されていることは多いですが、違いに明確な定義はありません。
傾向としてはライドシンバルの方が大きさが大きく、厚みも厚い傾向にあります。
また、シンバルの傾斜もライドシンバルの方がなだらかな傾向にあり、ボウなどを叩いた時に「コツン」と鳴るピング音がまとまりやすくなっています。
ライドシンバルにこだわるメリット
自身を成長させてくれる
ライドシンバルは「ボウ」「カップ」「エッジ」の3つを余すことなく使用します。
また、叩き方による音色の変化も大きく、演奏するたびにいろんな発見をもたらしてくれるシンバルです。
そのため、ライドシンバルの音色にこだわればこだわるほど、自分の奏法などを見つめ直すきっかけとなり、自分自身を成長させてくれます。
ライドシンバルはボウを叩いた時に静かに「コツン」と鳴るピング音から、エッジを叩いた際の迫力のあるクラッシュサウンドまで、様々な表現ができるシンバルです。
まさにシンバルの全てが詰まっていると言っても過言じゃありません。
それら全ての音色を場面場面に合わせて使えるようになれば、きっとどこに行っても重宝されるドラマーとなるでしょう。
また、ライドシンバルは大口径であり、重量もあることから、非常にコントロールが難しいです。
ですので、気難しいライドシンバルを制御するためにどうすればいいのか、自分自身の奏法について考えるきっかけをライドシンバルは提供してくれます。
このように演奏する上で様々な工夫を余儀なくされるライドシンバルは、ドラマーの成長にうってつけの存在です。
こだわりのライドシンバルを持てば、それだけ自分の成長を促し、さらにはシンバルの音色も進化します。
共に成長できる、まさに相棒のような存在になれるのがライドシンバルの大きなメリットです。
雰囲気をガラッと変える
ライドシンバルはリズムを刻むことが多い楽器ですので、使用頻度も多く、曲の雰囲気に大きく影響します。
ですので、こだわりのライドシンバルを使うことでより曲に見合った雰囲気に変えることが可能です。
演奏全体の雰囲気に見合ったライドシンバルを選び取ることが出来れば、どこの現場に行っても重宝されるドラマーになれます。
また、叩き方によってシンバルの持つ良さをさらに引き出して曲全体を盛り上げることが出来れば、他とは一線を画すドラマーになることが可能です。
シンバル自体が育つ
シンバル全体に言えることですが、年月が経てば音色が少しずつ変化していきます。
特にライドシンバルは経年変化による音の変化が顕著です。
最初はシンバル特有の煌びやかさの主張が強いですが、丁寧に扱えばそれだけ味わい深く、良い意味でビンテージ感あふれるサウンドへと変化していきます。
また、手垢やわずかなサビなどもそのシンバル独特の音色へと変化させる要因になり、まさに唯一無二のサウンドへと進化します。
極端な例で言えば、わざとシンバルを土へ埋めて音を変化させるということも。
年月を経て成長をしていくライドシンバルを楽しめることも、こだわり尽くすメリットになります。
ライドシンバルにこだわるデメリット
破損の可能性
シンバルは消耗品の側面もあり、使用していると割れることもあります。
ライドシンバルは口径が大きいため、値段も高価になりがちですから、もし割れた際には交換の費用がかかってしまうことが大きなデメリットです。
また、シンバル全般に言えることですが、経年変化により音が変わっていくこともあります。
特にライドシンバルは丁寧に扱えば経年変化によって味わい深い音色に育つことも多いです。
その育ったライドシンバルが演奏時や、持ち運び時のトラブルで割れてしまった際、本当にショックを受けるでしょう。
破損の可能性は常に念頭において、演奏時や運搬時には細心の注意を払うことが大切です。
持ち運びが煩雑
ライドシンバルは口径が大きいため、非常に重いです。
特にレコーディング等で何枚もシンバルを試すという時に複数枚用意しようと思うと、持ち運びは非常に困難になります。
また、現場への搬入搬出時には注意を払っておかないと、シンバルの破損の可能性だけでなく、自分の身体へのダメージにも繋がります。
ドラマーにとって身体は資本ですので、万全の状態で演奏へ挑むためにも、機材運搬には注意が必要です。
シンバルなどの機材が増えるほど、演奏以外の面で気にすることが増えるのは、1つのデメリットと言えます。
しかし、こだわり尽くしたシンバルから得られる音色と、それに乗せられた演奏は、持ち運び時のデメリットを吹き飛ばすものとなります。
そのように考えれば、デメリットは無いに等しいことでしょう。
ライドシンバルの選び方
ライドシンバルを選ぶにあたって、考慮したい点は以下の4つです。
- 大きさ
- 厚さ
- 表面仕上げ
- クラッシュシンバル兼用かそうでないか
順番に見ていきましょう。
大きさ
ライドシンバルは基本的には大口径のシンバルですが、その中でも大きさにより違いはあります。
22インチ〜24インチの大口径ライドシンバル
音程は低く、サスティーンが長めになり、ジャズなどでは22インチほどのライドシンバルの方が似合う時もあります。
大口径の方が音量が大きくなりやすいので、叩く際にはボリュームに気をつけましょう。
18インチなどの小さめのライドシンバル
音程が高くなり、サスティーンが短くまとまるため、小さめのバーなどで演奏する際に向いています。
音量も大きさに合わせて小さくなりますが、ライドシンバルはそれでも大きな音が出るので、小さめのライドシンバルだからといって油断しないようにしましょう。
厚さ
シンバルの厚さは大別すると下記のように分けられます。
- Heavy(分厚い)
- Medium(標準)
- Thin(薄い)
標準のシンバルを基準として、それより薄いシンバルは音程が低く、音の立ち上がりが速くなるのでよりジャズ向きに。
反対に標準より厚いライドシンバルは音程が高く、音量が大きいため、ロック向きのサウンドになります。
この他にも様々な厚さの表記がありますが、この3つを覚えておけば何と無く分かるようになるでしょう。
厚さに関しては薄くなれば音が高くなると勘違いすることも多いので、厚さは薄くなれば音程は低くなると言うことは覚えておきたいところです。
表面仕上げ
シンバルの表面仕上げについては主に2種類あります。
シンバルに溝型の加工を施す「レイジング」とシンバルにハンマーなどで意図的に打痕を加える「ハンマリング」があります。
順番に見ていきましょう
レイジング
シンバルに溝型の加工を施し、表面積を広くするために行うのがレイジングです。
そのため、レイジング加工が施されるほどサスティーンが長くなります。
また、レイジングが多ければ音程は明るくなり、叩いた後の反応も早くなる傾向にあります。
反対にレイジング加工が少ないシンバルは、サスティーンが短くまとまります。
音程に関してはレイジングが少ないと暗く、また叩いた後の反応も遅くなる傾向にあるので、よりジャズっぽいサウンドに近くなります。
また、シンバルによっては全くレイジングをせず、そのままの素材の音を活かしたものもあります。
レイジングを行わないことで、ドライで暗めのサウンドを奏で、ジャズドラマーに好まれるシンバルとなっています。
ハンマリング
ハンマリングの目的はシンバルの表面に打撃を加えることでサスティーンや音程などをコントロールすることです。
ハンマリングにも主に2種類あり、機械で行うものと、手作業で行うものがあります。
機械でハンマリングしたシンバルは倍音がまとまり、ストレートかつ明るい音色になります。
反対に手作業でハンマリングしたシンバルはその不規則性から倍音が豊かで、様々な音を奏でます。
音程も暗めになる傾向にあるので、手作業でのハンマリングがなされたシンバルの方がよりジャズっぽい音色へと変貌します。
クラッシュ兼用かライド専用か
クラッシュシンバルとライドシンバルの間には明確な違いの定義は存在しないです。
そのため、メーカーによっては「クラッシュライドシンバル」という兼用を謳うシンバルも存在します。
クラッシュシンバル兼用タイプは、クラッシュシンバルのように音が広がりやすい傾向にあり、叩き方次第ではシンバルを1枚で完結させることも可能に。
反対にライドシンバルとだけ表記されたシンバルは、ボウを叩いた際のピング音がまとまりやすく、輪郭のはっきりした音色になります。
これらの選び方の他に、鋳造され、倍音豊かなキャストシンバルと薄板をくり抜いて製作された明るい音色が魅力のシートシンバルとの違いから選ぶ選び方もあります。
シンバル独自の特徴もあるため、シンバルはそれぞれ個性を持ったサウンドをしているので、シンバルを試して「これだ!」と思えるライドシンバルを選びましょう。
ライドシンバルおすすめ10選
Zildjianミディアムライドシンバル A 20インチ (A0034)
3大シンバルメーカーの1つ、トルコ発のシンバルメーカーZildjianのライドシンバルです。
このA zildjianシリーズ、ミディアムライドシンバルは、厚さもミディアムほどで、形状もスタンダード。
まさに標準的なライドシンバルとなっています。
中域の豊かなサウンドが特徴で、サスティーンが非常に上品で耳障りが良く、どんなジャンルにも馴染みやすいサウンドです。
ポップスはもちろん、ジャズにもロックにも対応出来る、まさにオールマイティなシンバルです。
ただ、オールマイティといえども決して器用貧乏なんかではありません。
どんな音楽にも高い水準で評価を得られる、まさにスタンダードなライドシンバルの決定版と言えるほどの能力を持っているシンバルです。
Zildjianミディアムシン ロー Kコンスタンチ 20インチ (K1113)
ランダムにハンマリングが施された見た目が特徴的なK CONSTANTINOPLEシリーズのライドシンバルです。
ピッチが低いながらも音色はクリアに聞こえ、叩いた後の反応が良いサウンドを奏でます。
また、ボウを叩いた時の適度なサスティーンの広がりを感じ、まさに王道のジャズサウンドを彷彿とさせます。
また、エッジを叩いた時のクラッシュサウンドも大袈裟になり過ぎずにまとまり、ちょうど良いサスティーンとなっています。
以上より、1枚で完結するポテンシャルを秘めたシンバルです。
王道のジャズサウンドを求める方にはまず検討してほしいシンバルとなっています。
また、ジャズをやる時のライドシンバルが欲しいけど、何を買ったら良いわからないという人は、まずこのシンバルを選んでおけば間違いないでしょう。
ZildjianK Zildjian 23″ K ZILDJIAN SWEET RIDE ライドシンバル
名前の通り、柔らかく甘い響きが特徴のZildjian SWEETシリーズのライドシンバル。
23インチという大口径であり、シンバルの中では珍しい奇数インチというサイズ感が大きな特徴です。
音程は暗めで、ランダムに施されたハンマリングが落ち着きのあるサウンドを奏でます。
ただ、落ち着きのあるだけではなく、豊かなサスティーンと、輪郭がハッキリと聞こえるレスポンスの良い音色はどこか華やかさも感じられ、奥行きが深い音色です。
また、カップの音は非常に明るくクリアで、アクセントに最適。
豊かなサスティーンが温かな雰囲気を作り出し、ジャズの現場に最適ですが、ポップスやロックにも適合できるオールマイティ性も兼ね備えています。
SABIAN[Artisan]”Light”Ride (VL-22AR/L)
”Light”Ride (VL-22AR/L)"]カナダを拠点とする3大シンバルメーカーの一角、SABIANのライドシンバルです。
日本のトップドラマー、沼澤尚氏が発売当初から愛用していることから、そのサウンドはお墨付き。
豊かなサスティーンが特徴で、そのサスティーンも叩き方次第で変化が出やすいため、非常に表現力に優れたシンバルです。
暗めのアタック音は芯がありながらも邪魔にならず、楽曲によく馴染みます。
特徴的なハンマード仕上げ、表面研磨により見た目的にもヴィンテージ感溢れるシンバルで、ジャズをやるなら一度は検討してほしい商品です。
PAiSTeSIGNATURE TRADITIONALS Light Ride 20″
スイスに本社を構える3大シンバルメーカーの1つPAiSTeのライドシンバルです。
明るく、抜けの良いシートシンバルサウンドの印象が強いPAiSTeですが、このSIGNATURE TRADITIONALSシリーズは従来のPAiSTeサウンドとは一味違います。
このライドシンバルは低域が豊かで、どこか柔らかい印象を与えてくれるヴィンテージサウンドが特徴です。
薄さもThinと薄いため、叩いた後の立ち上がりも早く、クリアでありながらも主張しすぎない耳馴染みの良い音色です。
まさにジャズやフュージョンにはもってこいのサウンドで、従来のPAiSTeイメージを良い意味で壊してくれる、必見のシンバルとなります。
MEINL】Byzance Jazz Series ライドシンバル 22″ Monophonic Ride (B22MOR) 【国内正規品
ドイツのシンバルメーカー、MEINLのライドシンバルです。
このByzance Jazzシリーズのシンバルは伝統的なジャズを目指し、ヴィンテージ感のある音色を追求して開発されています。
ピッチが低めのアタック音に、ダークさを醸し出しながらもどこか上品さを感じ、いつまでも続いてほしいと思うような倍音が特徴です。
少しのドライさを感じる音色はまさに王道のジャズサウンドを体現し、ビバップ時代を彷彿とさせます。
ジャズサウンドといえばまさに!という音色を発音してくれる非常に表現力の高いシンバルです。
このシンバルを買って後悔はしないだろうと思わせる、強くオススメの製品となります。
MEINL】Byzance Jazz シリーズ ライドシンバル 22″ Big Apple Ride (B22JBAR) 【国内正規品
MEINL Byzance Jazzシリーズのライドシンバルで、王道のジャズサウンドでありながら、Monophonic Rideとは少し違ったキャラクターです。
ピッチは低めでありながら芯の強さを感じさせるクリアなサウンドで、周りが大音量の中でもしっかりと抜けて聞こえます。
倍音も暗めの音程でありながら、どこか華やかさを感じさせ、温かみのある音が奏者全体を包むことでしょう。
これぞジャズ!というシンバルをお探しの方に、ぜひ選択肢の候補に加えていただきたい程に推薦できるライドシンバルです。
Istanbul Agop スペシャルエディションシリーズ ジャズライドシンバル 20インチ
Zildjianと同じくトルコ系シンバルの流れを汲んだ、Istanbulのライドシンバルです。
Istanbulは現在AgopとMehmetの2社に分かれていますが、手作業に拘りを持つことは共通していますが、Agopはより革新的な製造方法をニーズに合わせて採用しています。
特にこのSpecial Editionシリーズは過去作品のいいとこ取りをしたような製品で、王道のジャズサウンドを奏でます。
音量は小さめで、音程は暗めで、乾いたサウンドという印象です。
大きな特徴はサスティーンの広がりにあり、クラッシュした時に広がるサスティーンが、ボウを叩いた時にも広がります。
そのサスティーンが柔らかく、広がりのあるサウンドが、より王道ジャズという雰囲気を高めます。
昔から多くのジャズドラマーに愛されてきたIstanbulのシンバルの中でも、特に王道感の強いのが、このライドシンバルです。
一度試さずにドラマー人生を終えるのは、勿体ないとさえ感じさせられます。
Istanbul Mehmetノスタルジア・シリーズ 50’s ライド・シンバル 21インチ
AgopとMehmetに分かれたIstanbulですが、Mehmetの方は特に伝統的な製造方法を重視しています。
だからと言って時代遅れなんて言うことは全くなく、市場をよく分析し、今も手作業で質の高い製品を流通させており、さらに職人の育成にも力を注いでいます。
Istanbul Mehmetの中でも、このNostalgiaシリーズはアコースティックジャズドラマーのために制作された定番のジャズライドです。
ピッチは暗めですが、サスティーンがストレートでクラッシュ音も煌びやかなので、明るく華やかな印象を持ちます。
大きめのカップも明瞭なアクセントになり、明るくハッキリとした音色でダンサブルなジャズをやりたい時に向いています。
ライドシンバルの使い方
ライドシンバルは主に3つの使い方があります。
- ボウをスティックのチップで叩く
- エッジをスティックのショルダーで叩く
- カップをスティックのショルダーで叩く
順番に見て行きましょう。
ボウをスティックのチップで叩く
ライドシンバルはドラムセットの中でも1番大きいシンバルになることが多いです。
必然的にボウの面積も広くなり、そのボウをスティックのチップで叩く場面は多いです。
「広いボウのどこを叩けば良いの?」と思われるかもしれませんが、基本的にはカップからエッジまでの距離の中間を叩くとバランスの良い音が出ます。
また、エッジの近くのボウを叩けばシンバルの揺れも増えてサスティーンが長めの音色に。
反対にカップ付近のボウを叩けば「コツン」というアタック感の強めな音になります。
ポップスなどのリズムを刻む時にボウを使ってリズムを刻むこともありますが、やはりジャズ演奏時のレガート奏法が、このボウを使った演奏で1番おいしい部分です。
グリップや叩き方、強弱によって様々な音色を奏でることが出来るので、自分の理想とする音を研究しましょう。
エッジをスティックのショルダーで叩く
ライドシンバルのエッジ部分をスティックのショルダーで叩くことで、クラッシュシンバルのような音色を奏でます。
アクセントを付けたい時などに主に使用され、ロックなどでは重厚感のあるクラッシュシンバルのような音が欲しい時にエッジを叩けば狙い通りの音が出るでしょう。
また、リズムを刻む時もライドシンバルのエッジとボウをアップダウン奏法で演奏すれば、表拍の強調された攻撃的なビートになります。
一方ジャズではリズムを刻んでる時に裏拍にアクセントを付けたい時、エッジを狙ってスティックを当て、シンバルを揺らすことで効果的なアクセントに。
ライドシンバルは口径が大きいため、エッジを叩くと音量が大きくなりすぎてしまうため、注意が必要です。
しかし、その注意を胸に刻み込んで効果的にアクセントを付ければ、より演奏にメリハリがつくでしょう。
カップをスティックのショルダーで叩く
クラッシュシンバルやハイハットのカップを使う機会は稀ですが、ライドシンバルのカップ部分は使用頻度も多いです。
例えば8ビートの裏拍でカップを叩いてあげれば、裏拍を強調したダンサブルなビートになります。
ジャズのレガート奏法の中でも裏拍のアクセントとしてここぞの場面で使用すれば、印象に強く残すことが出来ます。
また、カップの中でも叩く位置によって音色が変わります。
カップの上の部分を叩けば、アタック感の強い、高域の抜けたカップサウンドに。
反対にボウ部分に近いところを叩けばライドシンバル本来の音色を帯びた、よりさり気ないアクセント音になります。
演奏面での注意としては、カップをよく狙って、外さないように叩くことです。
ここで空振りなんかをしてしまっては、せっかくのアクセントも無かったことになってしまいます。
このように、カップはライドシンバルの中でも限られた場所にしかないため叩く時に注意が必要です。
しかしその分強力な武器にもなり得ますので、アクセントをつけたい時には積極的に使って、自分なりの使い方を編み出しましょう。
まとめ
「ライドシンバルを制するものはシンバルを制する」
まさにそんな格言すら付けたくなるほど、ライドシンバルにはシンバル全ての要素が詰まっています。
ただの道具と思わず、まるで生き物のように接してあげましょう。
そうすればきっとシンバルがあなたの成長をサポートし、シンバル自身も成長する相乗効果を感じられます。
この記事があなたの生涯のパートナーとなりうるライドシンバル選びの参考になれば幸いです。
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