サックスを購入するには、やはり予算が気になるところ。
3大メーカー(ヤマハ・ヤナギサワ・セルマー)のサックスがおすすめだということは知っていても、なかなか手を出せないという方もいらっしゃりますよね。
故障したときの代替品としての使用や、「初めてサックスに触るからとりあえずサックスがどのような楽器か知りたい」といった用途で安いサックスを探している方もいるはずです。
そこで今回は、安いサックスについて解説しながら、実際におすすめの安いサックスを10選ご紹介いたします。
安いサックスとは
基本的にサックスは高価な楽器なのですが、安いサックスを提供しているメーカーも存在します。
安いサックスの生産国は主に、中国・台湾・ベトナム。
フランス製のセルマー、日本製のヤマハ(ヤマハは一部海外製品もあります)・ヤナギサワと比較しても原価を安く抑えられます。
安いサックスは、品質も値段相応というのがこれまでの常識でしたが、近年では安いサックスの製造メーカーも技術を上げて品質が向上しているため、3大メーカーではなくあえて安いサックスを選ぶ方もいるようです。
楽器店が監修したものでしたら安いサックスだとしても適切な調整がされるため吹きやすく、安心して購入できます。
サックスは値段が高い安いで何が変わる?
次に、サックスの値段が演奏にどのように影響してくるのかをお伝えしていきましょう。
値段が高いサックス
まず値段が高いサックスは、先ほどお伝えした通り3大メーカーが所在する国で作られた製品が多いです。
人件費、工場の維持費が高いのはもちろんですが、長年かけて育てた高い生産技術を受け継いでいるので、そうした価値もサックスに付加されます。
また、有名なサックス奏者が監修して、より高度な演奏にも耐えられるように作られたモデルは価格が高くなります。
値段が高いサックスについては、高ければ美しい音色が鳴るということではありません。
素材の違いで楽器の鳴り方が変化するので、目指す音色で選ぶことが大切です。
値段が安いサックス
値段が安いサックスは、できるだけ維持費のかからない国に工場を構え、原価を抑えています。
また、3大メーカーのサックスを参考にして大量生産し、コストを抑えることもしています。
そのため、3大メーカーと似たサックスを安い価格帯で提供できるのです。
しかし、サックスは製造の工程で手作業が必要になる楽器のため、技術者が育っていない場合、個体によってどうしても作りが荒くなることがあります。
安いサックスを吹いた時に、音階によって音の鳴りが悪かったり、ひっくり返った音色になるのは、こうした細部の製造技術が伴わないためだと考えられます。
近年は製造技術が向上して品質が安定したともいわれています。
日本国内の楽器店が監修して、点検・調整したものを選べばそうした個体差をカバーできるかもしれません。
安いサックスの相場価格!安い・コスパが良いの基準は?
ひと言で「安い」といっても、サックスにかけられる予算は人それぞれ。
そこで今回は、ヤマハで販売しているアルトサックスの初級モデル(YAS-280)を基準にしたいと思います。
YAS-280は、これからサックスを始める方が問題なく演奏ができる基本的な作りのサックスで、安定した音程と初心者でも扱いやすい操作性を持ち合わせています。
希望小売価格は154,000円(税込)と、大手メーカーにもかかわらず良心的な価格設定が魅力。
このサックスを基準に、以下の条件を満たしていれば安い・コスパが良いと言えるでしょう。
- 基本的な演奏に耐えられる
- 価格がヤマハのアルトサックス(YAS-280)と同等、またはそれより安い
この、「基本的な演奏に耐えられる」という点が安いサックスの最大の難点です。
先ほどもお伝えした通り、安いサックスは個体差が大きいですから失敗のないように慎重に選びましょう。
安いサックスを選ぶ際のポイント
安いサックスを選ぶ際に、確認したいポイントを解説します。
調整済みのものを選ぶ
安いサックスは個体によって、品質にばらつきがあります。
高音・低音が鳴らしにくい、震えた音が鳴る、キイが動かしにくいなど、個体の癖に困った経験をした人もいることでしょう。
こうした癖は、演奏の上級者でしたら技術でカバーできることもあります。
しかし初心者だと、変に力を入れて吹いてしまったり、サックスが面白くないという感想を持ってしまう恐れも。
調整で改善する症状もありますので、購入の際は必ず調整済のものを選ぶようにしましょう。
マウスピースが付け替えられるものを選ぶ
サックスは、口元のセッティング次第で音色が変わる楽器です。
基本的に、付属のマウスピースは使い物にならないと考えて良いと思います。
本体が安いサックスでも、マウスピースだけセルマーに変えるなど工夫次第で美しい音色が鳴らせます。
しかし、安いサックスの中にはネックとマウスピースの接合部分にリムがついていて、他社のマウスピースが付けられない仕様のものもあります。
重要なポイントなので、確認してから購入しましょう。
2本目や屋外イベント・遊び用として選ぶ
安いサックスの品質がどれだけ向上していても、やはりコンクールなどの正式な評価を受ける場面で演奏するには不安定です。
本命のサックスを調整・修理している間の代替として使用したり、お祭りや野球応援などの屋外での演奏や、仲間同士の遊びでの演奏用として使うのであれば問題ないでしょう。
使う場面を選んで活用するようにしてください。
安いサックスおすすめ10選
それでは、おすすめの安いサックスをご紹介したいと思います。
価格の参考にするため、すべてアルトサックスに統一し、比較しやすくしました。
さっそく見ていきましょう。
YAMAHA アルトサックス(YAS-280)
まず最初は大手メーカー、ヤマハのサックスのご紹介です。
以前は日本国内で製造されていたようですが現在はインドネシア製で、サックスの基本を備えた初心者向けモデル。
価格を抑えながらも高品質を維持しているので、操作性・音程ともにしっかりしています。
YAMAHA アルトサックス(YAS-380)
YAS-380はYAS-280を少しグレードアップしたモデルです。
上位モデルを参考に作られていた見た目のほか、キイの作りを見直して演奏しやすくしたのがポイント。
タンポ(キイの裏に貼り付けてあるクッション)は上位モデルと同じものを使用しており、より発音しやすくなっています。
JUPITERアルトサックス(JAS500)
ジュピターは台湾の老舗サックスメーカーで、JAS500は初級モデルです。
全体のバランスがよく、柔らかい音色が特徴です。
しっかりした作りで吹きごたえがありますが、反応がいいので、肺活量の少ない初心者でも楽器が良く鳴っていることを実感できます。
15万円を切る価格帯も魅力です。
ヤマハの初級モデルでは吹き足りないという方には、こちらのサックスをおすすめします。
MARCATOアルトサックス(AS141G)
楽器店の石倉楽器が監修し、中国で生産しているサックスです。
定価7万円程の非常に安い価格帯ながら、安定感のあるまろやかな音色が素敵です。
吹奏感は軽めで、気軽にサックスを始めたいという方にはおすすめのサックスです。
MARCATOアルトサックス(AS-543V)
こちらは、アメリカのコーン・セルマー社と同じ工場で製造したモデル。
コーン・セルマー社は、フランスのヘンリー・セルマー社の創業者の兄弟を起源とするメーカーです。
世界で人気のサックスを参考にアレンジすることで、価格を抑えたまま高品質を実現しました。
管体はブロンズブラス製(銅とすずの合金)で、落ち着いた音色が特徴です。
ブロンズブラスは銅の比率が多く加工が難しいとされています。
同じブロンズブラスを使用したヤナギサワのモデルは定価40万円を超えるのに対し、こちらのモデルは定価19万円程とコスパが良いのが分かります。
2本目のサックスとして、普段と違う音色を楽しみたい方におすすめのサックスです。
J.Michaelアルトサックス(AL-500)
Jマイケルは楽器の専門商社が立ち上げたブランドです。
管楽器専門スタッフの洗練された技術と、プロの監修によって企画した製品を中国で製造することで、安い価格帯と高いクオリティを実現しています。
初心者に嬉しい抑えやすいキイの配置で、柔らかくて綺麗な音色が印象的です。
彫刻がありませんが、5万円ほどで購入できるバランスの良い楽器です。
J.Michaelアルトサックス(AL-780)
Jマイケルの中でも上位機種で、学生が部活動で使用することを想定しています。
大手メーカーだと高額になりがちですが、10万円を切る価格帯で安定感のあるサックスを購入でき、保護者にとっても嬉しいモデルです。
アフターサービスもしっかりしているので、安いサックスを購入するのに抵抗がある方でも安心して購入できます。
ANTIGUAアルトサックス スタンダード
アンティグアはセルマーを取り扱う楽器専門商社の、野中貿易が監修するブランドです。
セルマーの人気モデル「シリーズ2」を参考に設計し、台湾で製造されたサックスです。
安い価格帯ながらも吹いた時の反応がよく、簡単に発音するのが魅力です。
吹奏感が軽いので、思い切り吹き込みたい方には物足りなく感じるかもしれません。
初心者向けの安定感のあるサックスです。
Antiguaアルトサックス G42
アンティグアの中でも上位ランクのサックスです。
学生や女性でも演奏しやすい独自のキイ配置で、操作の難しい左手の小回りもきくので、早いフレーズも安心です。
スタンダードモデルに比べて吹いた時の抵抗感がしっかりしていて、楽器全体で鳴る感覚を実感できます。
奏者がしたい表現についてくることができるので、吹き込んで音を作りたい方にはおすすめです。
ANTIGUAアルトサックス プロワン
アンティグアのサックスの最上位モデルです。
長年サックスのデザインを手がけてきた、著名なサックス奏者、ピーター・ポンゾール氏が監修したデザインが特徴。
サックスはトーンホールという管体の穴をキイでふさいで音階を作る楽器です。
プロワンはこのトーンホールに工夫があります。
切り口をやすりで削って処理されることの多いトーンホールを、独自の方法で丸く処理してロールド・トーンホールに仕上げています。
キイがしっかり閉まるぶん、低音の反応がとてもいいので、吹いた時に出だしから芯が鳴るような感覚が味わえます。
まとめ
安いサックスの中にも品質が良いものがあること、選ぶポイントを押さえれば十分に活用できることがわかっていただけたのではないでしょうか。
今後、初心者が安定して演奏できるモデルが増えれば、サックスを始めるハードルも下がるので嬉しいことです。
もっと気軽にサックスに触れる方が増えて、仲間と一緒に音楽を楽しめれば、毎日がより楽しくなっていくことでしょう。
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