サックスの音色の違いは楽器本体の構造や材質で生み出されていると考えていませんか?
実は、サックスの音色や吹き心地、音の鳴りも楽器本体以外にマウスピースやリガチャ―、ネックなどによっても大きく変化するのです。
ですから、自分に合ったセッティングや求めている音色を作るためには、サックスのアクセサリーについて知っておく必要があるといえるでしょう。
今回は、その中でも比較的簡単に変更しやすいサックスリガチャ―のおすすめを紹介していきます。
吹奏楽部に人気のサックスリガチャ―もご紹介するので、参考にしてください。
サックスリガチャーとは
サックスはリードと呼ばれる薄い板を振動させて音を鳴らす木管楽器です。
そのリードをマウスピースに固定するための部品がサックスリガチャーとなります。
一般にリードの振動を抑える力が強いリガチャーであればまろやかな音に、振動を邪魔せずに固定するものは明るい音色になるとされています。
そのためマウスピースと同じくクラシック向きのリガチャー、ジャズ向きのリガチャーが存在するのです。
材質は金属製のものから木製のものなど様々なものが存在し、ねじの本数も一本のもの、二本のものなど多様です。
サックスリガチャーにこだわるメリット
求める音色に近づくことができる
先ほども紹介した通り、リガチャーによるリードの固定具合によってサックスの音色が変化します。
求める音色が明確に決まっていて、どうしてもその音色を奏でることができないと悩んでいる時にはリガチャーの変更を検討しても良いでしょう。
その時には材質やねじの本数、向きなどを調べてリガチャーごとの特性を知ることが大切です。
吹奏感を変えることができる
なかなか息が入りにくく、吹きづらいと感じるときに多くの方はリードの厚さを変えると思います。
しかし、それでも吹奏感に違和感があると覚えるときにはリガチャーを変更することで解決することができるかもしれません。
また、大きな音を出そうとすると息が入りすぎて汚く聞こえてしまうといった問題もリガチャーの変更で解決することができるでしょう。
個性を出すことができる
珍しい楽器はそれだけ値段も高くなってしまうためなかなか購入することができません。
例えばピンクゴールドのサックスは目新しく注目を浴びることができますが、通常のラッカー仕上げのサックスよりも価格が高くなってしまいます。
しかし、リガチャーであれば楽器ほど高い値段でなくても個性的なものが販売されているためより簡単に個性を出すことができます。
サックスリガチャーにこだわるデメリット
お金が無くなってしまう
リガチャーをそろえるためにはお金が必要です。
特に、大量生産がされていないようなリガチャーやブランド品は値段が必然的に値段が高くなってしまうため注意しましょう。
また、リガチャーはほかの部品よりも指で触れる機会が多いため壊れやすい部品です。
特にねじが折れる、リガチャーの金属部分が劣化で割れてしまうといった故障が多く、そうなってしまうと演奏に支障をきたします。
大切に使っていても長く使っていると壊れてしまうこともあるため、その都度買い替える必要があります。
選択肢が増えすぎてしまう
リガチャーを多く用意することでサックスセッティングの選択肢が広がります。
しかし、あまりにも多すぎると求める音色や吹奏感を得るためのセッティングを考えることが難しくなってしまいます。
頻繁にセッティングを変えると吹奏感の変化によって練習がうまくいかなくなる可能性があるため注意しましょう。
音色を変更したい時はアンブシュアの見直しなども並行して行うと良いでしょう。
レア物を選ぶと再入手が難しい
生産量が少ないリガチャーを選んでしまうと、そのリガチャーが壊れたときに買いなおすことが難しくなります。
別のリガチャーを選んだ時に違和感が出てしまう可能性があるため注意する必要があるでしょう。
有名メーカーのものであれば生産量も多く比較的手に入りやすいため、その中からリガチャーを選ぶことで解決することができます。
サックスリガチャーおすすめ20選
ヤマハアルトサックスリガチャー GL
日本の楽器メーカーとして名高いヤマハのアルトサックスリガチャーです。
吹奏楽部でも広く利用されるベーシックなリガチャーで、初心者の方にもおすすめできるリガチャーと言えるでしょう。
リード側にねじがある表締めで、リードの取り付けがしやすいつくりとなっています。
ラッカー仕上げとなっており、明るい音を目指す方におすすめのリガチャーです。
ハリソンアルトサックスリガチャー ハリソン フォルテ A3F/GP
通常のハリソンリガチャーよりも外周の金属部分の厚みが増しており、その分音色に芯を感じさせるリガチャーとなっています。
2本ねじタイプで音色は比較的音が落ち着いた印象を受けるでしょう。
大きめのマウスピースに対応したリガチャーとなっているため、メイヤーのマウスピースを使っている方にもおすすめの商品です。
ハリソンアルトサックス リガチャー 銅メッキ仕上げ A2/DM
ハリソンのリガチャーの特徴でもある音の立ち上がりの良さを生かしたまま、音色に変化を付けたリガチャーです。
銅メッキを使用することによってまろやかで柔らかい音色を引き出すことができます。
音色の協調性を大切にしたいクラシックや吹奏楽の場面で活躍することができるほか、バラードのソロを演奏するときにもおすすめのリガチャーです。
ハリソンアルトサックス リガチャー メタル用 ADGP
メタル製マウスピースに適したアルトサックス用リガチャーです。
金メッキの明るく華やかな音色が特徴的で、ジャズで良く用いられるメタル製マウスピースに使用することができます。
力強いソロやアドリブなどでアルトサックスが目立つ曲では、華になる音色を奏でることができます。
反対に吹奏楽では音が浮いてしまうためラバー用のリガチャーとラバー製のマウスピースを使用しましょう。
ハリソンソプラノサックスリガチャーS ラバー用シルバー仕上げ
音の立ち上がりが良いとして人気が高いハリソンのソプラノサックス用リガチャーです。
シルバー仕上げによって銅メッキよりも明るく、金メッキよりは落ち着いた音色を奏でやすいとされます。
ソプラノサックスは非常に音が大きく、あまりにも張り切って演奏してしまうと浮いてしまうことがあります。
そのため音色がまとまりやすい銅メッキのリガチャーや銀メッキのリガチャーを選ぶと落ち着いた音色にすることができるかもしれません。
ハリソンリガチャー テナーサックス ピンクゴールド TPGP
淡いピンク色がかわいらしいピンクゴールドのテナーサックス用リガチャーです。
ゴールドよりもまとまりがあり、柔らかな音色であるため吹奏楽でも広く用いられています。
銅の配合が多くなっているリガチャーであるため、音色が明るすぎて浮いてしまうといった方におすすめしたいリガチャーです。
音の立ち上がりが良いハリソンのリガチャーであるため、音の輪郭を失うこともありません。
ハリソンテナーサックス リガチャー 金メッキ仕上げ TOGP
メタル製マウスピース用のテナーサックスリガチャーです。
金メッキの明るい音色と、メタルマウスピースの音色が組み合わさりバンドの中でも存在感のある音を奏でることができるでしょう。
長時間の練習であってもリードがずれにくい逆締めタイプのリガチャーで、音色のコンディションを長時間保ちます。
バンドレンアルトサックスリガチャー&プラスティックキャップ Optimum GP LC07P
吹奏楽などでよく使われるリードでおなじみのバンドレンによるサックスリガチャーです。
一本ねじタイプとなっており、リードの振動を邪魔しにくいつくりとなっているため華やかな音を期待することができます。
また、リードを支える金属プレートは3種類付属しているためこの商品を購入することで3つのリガチャーの違いを楽しむことができます。
バンドレン M/O エムオー アルトサックス リガチャー ゴールドラッカー LC57DP プラスティックキャップ付
こちらのリガチャーはねじを数回回すだけでリードをしっかりと固定することができるため普段の練習時のストレスを軽減させます。
また、全体的にリードの響きを阻害しないように固定部分の面積を小さくしたり、材質を軽い真鍮にしたりといった工夫がなされています。
そのため素早いレスポンスや、表現を思いのままにつけることができるリガチャーとなっています。
P.モーリアアルトサックスリガチャーGP(ラバー用、ゴールド仕上げ)
ねじ周りのレールがリードを固定することで振動率をあげるといった特徴を持つリガチャーです。
ボーダー上にスペースが開いたの金属面によって、程よい抵抗感と音色の明るさが共存しているリガチャーと言えるでしょう。
ねじは二本タイプとなっており、初心者の方でも固定しやすくなっています。
ロゴのデザインもおしゃれなリガチャーとなっており、珍しい形のリガチャーです。
JLV24金メッキ ラバー用リガチャー
金属製の上固定する面積が小さいリガチャーであるため軽やかな吹奏感と華やかな音の鳴りを期待することができます。
また、こちらのリガチャーは固定部分を自由に変えることができるため音色の違いや吹奏感の違いを固定場所によって変更することができます。
上の方で固定することで音がまとまりやすく、下の方で固定することで豊かな音を出すことができます。
セルマーアルトサックス リガチャー ゴールドラッカー GL
サックスの高級メーカーとして有名なセルマーのリガチャーです。
一本ねじタイプとなっており、その上金属の固定部分の面積が狭く軽やかな吹奏感が得られます。
リードの振動を邪魔しにくく、非常に人気が高いリガチャーとなっています。
上級者はもちろん、初心者の方にもおすすめのリガチャーとなっています。
セルマーアルトサックス リガチャー ピンクゴールド
吹奏楽で良く用いられるのはゴールドタイプのリガチャーです。
しかし、ゴールドタイプのリガチャーよりも柔らかくシルバータイプのリガチャーよりもはっきりとした音をもつピンクゴールドも吹奏楽でよく使われます。
柔らかなサウンドが特徴で、まとまりのよい音色かつ、サックスの華やかさも失われないバランスの良いリガチャーと言えるでしょう。
セルマーテナーサックス リガチャー 銀メッキ
セルマー製のテナーサックス用リガチャーです。
セルマー製のマウスピース以外にも、バンドレン製マウスピースにも対応している商品となっています。
銀メッキによる演奏しやすい抵抗感によって表現の付加をサポートし、さらに深みのある音色を奏でることができます。
それによってソロなどが目立つ曲やサックスアンサンブルで使用すると素晴らしい演奏ができるでしょう。
セルマーソプラノサックス用リガチャー メタル用純正 SP
主にジャズで広く利用されるメタル製マウスピース用のソプラノサックスリガチャーです。
銀メッキによる柔らかく渋い音色はジャズのソロで大活躍することでしょう。
パリッとしやすいメタル製マウスピースの音色を少し落ち着けたい時や、落ち着いた曲を演奏するときには銀メッキのリガチャーがおすすめです。
BGアルトサックス リガチャー スーパーレヴェレーション L12SR ファブリック製
金属ではなくファブリック製のリガチャーとなっており、柔らかく渋い音色を奏でやすいリガチャーです。
しかし、リード固定部分にはゴールドプレートを使用することでクリアで華やかな音色も演奏することができるリガチャーになっています。
求める音色やイメージががすでに決まっていて、それにあったリガチャーを探している方におすすめしたい商品です。
BGバリトンサックス リガチャー トラディション L67 シルバープレート SP 銀メッキ
シルバープレートによって豊かな音色を奏でやすいという特徴を持ったバリトンサックス用のリガチャーです。
特に低音がメロディーを担当するなどして目立つサックスアンサンブルでは大いに役立つことでしょう。
扱いやすい一本ねじタイプのため、サックスアンサンブル以外にも吹奏楽などの普段使いにもおすすめできるリガチャーとなっています。
バンブーアルトサックス リガチャー NOVA -ノヴァ-
金属プレートを使用しリードを固定することで、音色に変化をつけることができる商品となっています。
素材は合成繊維による紐を編んだもので、抵抗感が少なく息をいられやすいリガチャーです。
全部で6種類のカラーラインナップとなっており、それぞれポップで見た目が非常にかわいらしく、吹奏楽部の学生さんや女性にもおすすめのリガチャーとなっています。
ヤナギサワアルトサックス リガチャー YanyLigature/ヤニーリガチャー/ニコちゃん
日本のハンドメイトサックスメーカーとして有名なヤナギサワのリガチャーです。
一本ねじタイプで、リードの固定は4つの楕円形のプレートで行われリードの振動を阻害しないような作りとなっています。
金メッキ仕上げのブラス素材でできており、華やかで明るい音色を奏でることができるリガチャーとなっています。
逆締めタイプのリガチャーであるため澄んだ音が鳴らしやすいといった特徴も持ちます。
ヤナギサワバリトンサックス リガチャー”Yany SIXS(ヤニーシックス)”
固定しやすくリードの振動を邪魔しない一本ねじタイプのバリトンサックス用リガチャーです。
接触面を点にして、最大限リードを振動させることができるつくりとなっているため軽やかな吹奏感があります。
ホールや屋外など広い場所で演奏するときにもしっかりと音が飛ぶためサックスアンサンブルでは特に活躍するでしょう。
サックスリガチャーの使い方
表締めか逆締めかを確認する
リガチャーによって、ねじがリードのある面に向くものと反対側に向くものがあります。
それぞれねじの位置によって表締め、逆締めとよばれます。
- 表締めは雑音が入りやすいものの豊かな音が出しやすい
- 逆締めは雑音が少ないものの音が痩せやすい
リガチャーの性能を最大限に引き出すためにも装着するリガチャーが表締めなのか、逆締めなのかを確認する必要があるでしょう。
穴がある方向からみて右にねじが来るものが正しい向きです。
リードを装着する
リガチャーを緩め、湿らせたリードを上からスライドするように装着します。
この時リードの先端には絶対に触れないようにしましょう。
なぜなら、リードが欠けてしまい良い音が出なくなることがあるからです。
マウスピースの髪の毛一本分内側にリードの先端を合わせてリガチャーを締めます。
リガチャーの位置はマウスピースに刻まれているラインを目安にしましょう。
あまりに強く締めるとリードが振動しにくくなるほか、リガチャーが壊れる原因になります。
リガチャーが壊れると、リードが固定できなくなって演奏中にずれてしまうなどのトラブルが発生します。
締める強さはリードが固定され、演奏中にずれない程度で十分です。
また、銅製のリガチャーなど柔らかい素材のリガチャーは変形してしまいやすいため取り扱いに注意しましょう。
演奏が終わったら
演奏が終わってからリードを挟まずにリガチャーをマウスピースにずっとつけておくと、リガチャーが変形する原因になります。
それを防ぐために先端が欠けてしまって使えないリードなどを装着してしまうと良いでしょう。
リードの代わりとなるプラスチック製の保護パーツも販売されているためそれを利用しても構いません。
その後は付属のキャップなどでマウスピースを保護して楽器ケースに入れます。
サックスリガチャーの代用品は?
糸
糸をぐるぐる巻きにしてリードを固定することで通常のリガチャーのように演奏することができます。
特徴として質量が軽いため非常に吹きやすく音が鳴ります。
しかし、リードがずれてしまうと再び巻き直す必要があるため普段使いには向きません。
似たようなもので結束バンドや紐を使用することもできます。
サックスリガチャーの自作方法は?
塩ビパイプで作るリガチャー
ホームセンターなどで売られている塩ビパイプを切断し、輪のような形にすることでリガチャーとして使用することができます。
使用方法としてはリードを固定するように上から切断したパイプをかぶせて使用します。
このときパイプの内径がマウスピースに合うようなものを選ぶ必要があります。
塩ビ製でない、木製のパイプでも代用できるでしょう。
まとめ
サックスのリガチャーは音色や吹奏感に大きな影響を及ぼします。
リガチャーを選ぶ時には素材や形の特徴を理解し、どのような効果があるのかを知ることが大切です。
楽器よりも手に入れやすいリガチャーを変えることで、自分が求めるサックスの音色を手に入れましょう。
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