モジュレーション系のエフェクターとして知られるトレモロエフェクター。
「存在は知っていたけど、歪み系や空間系エフェクターに比べると使い所が分からない」という人も多いのではないでしょうか。
しかし、トレモロエフェクターの特徴をよく理解して使いこなすことができれば、個性的なサウンドを作り出すことができます。
今回はそんなトレモロエフェクターの特徴や使い方や、おすすめのトレモロエフェクター15選を人気のペダルタイプのものも含めてピックアップしました。
トレモロエフェクターとは
トレモロエフェクターとは、「音量を周期的に上下させる」エフェクターのこと。
ギターやバイオリンで小刻みに同じ音を反復するテクニックとして「トレモロ奏法」がありますが、エフェクターでトレモロと言う場合には意味合いが異なります。
- コーラス
- フランジャー
- フェイザー
などと同じモジュレーション系のエフェクターに分類されるのが、トレモロエフェクターです。
実は最古のエフェクターとも言われているトレモロは、もともとギターアンプに搭載されていた機能でした。
仕組みとしては非常に単純なエフェクターですが、うまく使いこなせば効果的に作用する奥が深いエフェクターとも言えるでしょう。
トレモロとディレイの違いは?
トレモロは、ストロークすると音が断続的に聞こえるエフェクターです。
そう聞くと、「ディレイのようなやまびこ効果をたらすもの?」と思うかもしれませんが、ディレイは原音をそっくりそのまま反復させるエフェクター。
それに対してトレモロは、前述した通り音量の上下を周期的に調整して聞かせるエフェクターということになります。
ディレイは発音してすぐにミュートしても音が反復されますが、トレモロは発音している間だけエフェクトが掛かる仕様です。
また、トレモロは「ビブラート」とよく混同されることがあります。
トレモロは「音量の上下」ですが、ビブラートは「音程の上下」と理解しておくと良いでしょう。
ギターのトレモロアームやトレモロユニットは、正確にはビブラート効果を出すものですが、昔はこの効果を逆にトレモロ効果と呼んでいたことに由来します。
ややこしいですが、覚えておきましょう。
トレモロエフェクターを使うメリット
機能がシンプルで分かりやすい
トレモロエフェクターは、とてもシンプルな作りのエフェクターです。
基本的には、RATE・DEPTH・WAVE(メーカーによっては呼称が異なります)の3種類のツマミでエフェクトをコントロールします。
- RATE:周期の速さをコントロール
- DEPTH:音量変化の深さをコントロール
- WAVE:エフェクトの掛かり方をコントロール
WAVEはついていないものもありますが、エフェクトの波形を変化させてバリエーションをつけることができるので選ぶときにはチェックしましょう。
波形コントロールはLFOとも呼ばれますが、サイン波や三角波でなめらかに聞かせたり、矩形波(くけいは)でアグレッシブな効果を出したりすることが可能です。
様々なジャンルや曲調にマッチする
トレモロは、もともとサーフミュージックやカントリー、ブルースなどでよく使われていたエフェクターです。
そのため、レトロな雰囲気の落ち着いた曲調で使用すると非常にマッチします。
また、上記のジャンルに影響を受けたジミ・ヘンドリックスやエリック・クラプトンなどロックギタリストもトレモロの愛用者として有名です。
1990年代に流行したシューゲイザーなどは、轟音のサウンドにあえてトレモロをかけることで、独特の世界観を生み出し注目されました。
基本的には、単音のリードやロングトーンのコードストローク、アルペジオなどのプレイで使われることが多いエフェクターと言えるでしょう。
トレモロエフェクターを使うデメリット
カッティングには不向き
逆にカッティングや、16ビートのような細かいストロークなどエッジの効いたプレイ、アップテンポな曲での使用には向いていません。
使用するとしてもスポットで掛けるなどの使い方に限定されるでしょう。
ピッキングで抑揚をつけるプレイよりは、ミュートや休符でリズムを出すゆったりとしたプレイに向いていると言えます。
トレモロ の選び方
機能で選ぶ
お話ししてきたように、トレモロはシンプルなエフェクターです。
ただ、基本的な機能の他にも様々なオプション機能を搭載したモデルが多く発売されています。
例えば、あらかじめ設定したエフェクトパターンをワンタッチで呼び出せるタップテンポ機能はその代表例でしょう。
また、プロが作った音を再現できるToneprint機能などもあります。
他にも、二つのアンプにつないでパンニングさせることができるといった面白いものもあるので、より個性的なサウンドを追求するならチェックしてみましょう。
価格で選ぶ
トレモロも他のエフェクター同様、安価なものから高価なものまで幅広い価格帯でラインナップされています。
5,000円以下のものもあれば5万円近くするものもあり、初めは迷ってしまうかもしれません。
初心者にはまず手の届きやすいもので十分ですが、ある程度経験を積めばスペックなどにこだわってハイエンドなモデルを検討してみるのも良いでしょう。
見た目で選ぶ
使いやすさや値段も選ぶ時の大事なポイントですが、見た目重視でセレクトしてみるのも面白いでしょう。
機能性重視の無骨なデザインのものもあれば、イラストが描画されていたりカラフルでポップなデザインだったりと様々です。
足元のレイアウトをあれこれ考えるのも、エフェクター選びの醍醐味。
プレイする時のモチベーションも変わってくるかもしれません。
トレモロ エフェクターおすすめ15選
トレモロ エフェクターの使い方
繋ぐ順番
複数のエフェクターを使用する場合、個々の効果を最大限に引き出すために最適な順番で繋ぐことがポイントです。
トレモロなどのモジュレーション系エフェクターは、原則歪み系と空間系の間に繋ぐのがベストとされています。
例えば、オーバードライブ→トレモロ→リバーブという順番です。
あえて順番を変えることによってユニークな効果が生まれるケースもありますが、基本的な順番は押さえておきましょう。
各パラメーターを調整
エフェクターを順番通りに繋いだら、音を鳴らしながらRATEやDEPTHなどのパラメーターをツマミを回して調整していきます。
イメージした音が作れたら、忘れないように各設定値をメモしておくのがいいですが、プリセットを記憶できるものもあるので活用しましょう。
トレモロ エフェクターの代用品は?
トレモロエフェクターの音を他のもので出したい場合、アンプにトレモロ機能が内蔵されたものを使用する方法があります。
トレモロ搭載アンプの元祖とも言われるフェンダーや、VOXなどのヴィンテージアンプが有名です。
またトレモロの特性から考えると、ボリュームペダルで再現することも原理的には可能ですが、全て自分の足で調整することになるので大変でしょう。
トレモロエフェクターの自作方法は?
トレモロエフェクターを含め、エフェクターは既成品を入手するほかに自作することも可能です。
一から製作する手間はありますが、既製品を購入するより総費用が安く済むケースもあります。
また自分オリジナルのものが作れる自由度の高さから、あえて自作するという人も少なくありません。
自作する方法としては、市販されているパーツを購入し、あとは溶接や配線をして自分で組み立てるという手順で行うのが一般的です。
溶接や組み立てをするのに、ハンダごて、ニッパーやドリルなど最低限の工具も合わせて用意する必要があります。
自作したエフェクターが完成した時の感動はひとしおですが、膨大な作業時間を費やして作ったものの音が出ないということもしばしばです。
初心者には少しハードルが高いかもしれませんが、作る過程やちょっとしたトラブルも含めて楽しめるのであればチャレンジしてみるのも良いでしょう。
まとめ
今回はモジュレーション系エフェクターのトレモロについて詳しく解説、そしておすすめのトレモロエフェクターも厳選してご紹介しました。
機能もシンプルで一見地味なエフェクターですが、実際使ってみると様々なシチュエーションで活躍してくれるエフェクターだということが分かります。
ぜひ今後のサウンド作りに役立ててください。
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