近年、お家で気軽に始められる楽器としてウクレレが人気を集めています。
とはいえ、いざウクレレを始めたいと思ったときに、どのくらいの値段のものを買えばよいのか、そもそも値段によって何が違うのか、さっぱりわからないという初心者の方は多いのではないでしょうか。
楽器店に行って店員さんにお任せすればいいのかもしれないけれど、ある程度自分で納得した上でウクレレを選びたいと考えている初心者の方に、おすすめのウクレレ21選をご紹介します。
目次
初心者におすすめのウクレレとは
この先、ウクレレをどのくらい続けられるかわからないので、とりあえず低価格のものを選びたいと思っている初心者の方も多いことでしょう。
でもあまりにも安いウクレレというのは、初心者にとって弾きにくいことが多いです。
では値段が高いほどよいのかといったら、これもまた初心者にとっては扱いが難しいことがあります。
初心者におすすめのウクレレは、安すぎず高すぎず、スタンダードなものになります。
初心者向きのウクレレを使うメリット
メリット
お手頃価格で楽器を楽しめる
「エントリーモデル」など、多くのメーカーがお手頃価格で初心者にも入りやすいウクレレを出しています。
さらに安い価格帯のものもありますが、楽器として考えたときに、木材の保管や仕上げの処理がきちんとされていることが重要になってきます。
楽器として十分な性能を持ち、お手頃価格になっているのが初心者向きウクレレの特徴といえます。
品数が多い
初心者向きのウクレレは、なんといっても品数が多いことです。
特に「エントリーモデル」はメーカーが長年にわたって同じモデルを作り続けていることが多いので、欲しいウクレレが品切れになっていても、すぐに入荷されるので安心です。
またお店に置いてあることも多いので、試し弾きや、店員さんに弾いてもらい実際の音を聴く機会も増えることがメリットといえます。
どこでも気軽に弾ける
お手頃価格ということもありますが、初心者向きのウクレレはどこでも気軽に弾けることがメリットです。
お家で弾くだけでなく、天気の良い日に公園で弾くのも気持ちのよいものです。
パーティーでポロンと弾いてみても、注目をあびることでしょう。
楽器を触ったことのない人に持たせてあげたり、楽しみの幅も広がります。
初心者向きのウクレレを使う際の注意点
デメリット
ペグの種類
弦の張りを調節して音程を合わせることをチューニングといいますが、チューニングはヘッド部分についている調節ねじ(ペグ)で行います。
ほとんどの初心者向けウクレレには歯車タイプのギアペグがついていますが、ストレートペグのものもあります。
ストレートペグは初心者にとってはチューニングが難しいことが多いので注意が必要です。
重さのバランス
演奏するときのようにウクレレを横にしたときに、左右の重さのバランスがとれていると構えたときに安定します。
中にはヘッド部分が重いものがあり、構えたときに傾いてしまうことがあります。
正しい構え方でストレスなく弾くためには、ストラップで演奏できるようにエンドピンを取り付けることも視野に入れるとよいでしょう。
楽器が合っているのか判断が難しい
エントリーモデルの標準的な仕様は、人によっては逆に弾きにくかったりすることもあります。
例えば弦の高さは人によって弾きやすさが違います。
そういった判断がまだできない初心者にとっては、こういうものだと思って弾き続けてしまうものです。
楽器を買ったお店に相談したり、気軽に楽器のことを相談できる人がいることも大切です。
初心者向きウクレレの選び方
知名度のあるウクレレメーカーのエントリーモデル
ウクレレはもともとチューニングが合わせずらい楽器です。
ソプラノサイズになると、弦が短いことで、特に高音域の音程(ピッチ)がずれているものもあります。
歴史のあるウクレレメーカーは、そのあたりもきちんと作りこまれているウクレレが多いので、ある程度知られたメーカーの初心者用と銘打っているウクレレがおすすめです。
1万円代~3万円代
初心者の方が「はじめての1本」としてウクレレを購入する場合の価格帯としては、1万円代~3万円代がおすすめです。
はじめて楽器を持つ人にとっては、それでも高いと思われるかもしれませんが、数千円代のウクレレは音程がずれているものや、すぐに壊れてしまうものも少なくありません。
ストレスなくウクレレを楽しむために、楽器としての性能をきちんと備えたウクレレを選ぶことが大切です。
ソプラノかコンサート
ウクレレは大きさの違いにより、ソプラノ・コンサート・テナーがあります。
他の楽器と違い、ウクレレは大きさが変わってもチューニングは同じです。
バリトンウクレレだけは音域も変わり、一般的なウクレレとは違った位置づけになります。
初心者はソプラノかコンサートがおすすめです。
テナーは弦の張りが強いので、押さえづらく感じるかもしれません。
直感を信じる
大きさ・形状・木材・メーカーや価格など、ウクレレを買うときにはいろいろと迷ってしまうものです。
でもあまりに多くの情報を詰め込みすぎても混乱してしまいます。
ウクレレ選びにおいて、最終的には自分の直感を信じることも大切です。
この形が好き、この杢目が素敵、かわいい、かっこいい等、自分が感じ取ったものを選ぶのが一番です。
最初の1本に!初心者におすすめなウクレレ21選
フェイマスソプラノウクレレ(FS-1G)
フェイマスは、1955年から製造を始めている老舗ブランド。
国産ウクレレにおけるシェアNo.1の人気ブランドです。
こちらのウクレレはフェイマスのエントリーモデルで、「はじめてのウクレレ」としても非常に人気のあるモデルです。
ボディはマホガニー合板で、マホガニーの柔らかいサウンドが特徴です。
フェイマスソプラノウクレレ(FS-5G)
こちらはフェイマス FS-1Gの上位モデルになります。
ボディはハワイアンコア合板で、コアのカラッとした澄んだ音が特徴。
合板は板の厚みがでてしまうため、単板に比べると音の響きが劣ってしまいます。
フェイマスはその部分を技術でカバーしています。
合板でも薄くて軽量というのがフェイマスの魅力といえます。
キワヤソプラノロングネックウクレレ(KSU-1L)
キワヤの「高コスパ」シリーズウクレレで、ボディはマホガニー合板です。
このシリーズは、他にソプラノ(KCU-1)とコンサート(KCU-1)があります。
こちらのソプラノロングネックウクレレは、両者の「いいとこ取り」で、ソプラノでありながらネックが長く、18フレットあるので様々な演奏に対応可能です。
ハナレイソプラノウクレレ(HUK-100G)
ハナレイは島村楽器のウクレレブランド。
ハワイのカウアイ島「ハナレイ」湾から付けられたネーミングが印象的です。
「ハナレイ」シリーズは、ボディがマホガニーのウクレレです。
合板、トップのみ単板、オール単板があり、サイズはソプラノとコンサートがあります。
おすすめはソプラノのオール単板で、マホガニーの深い響きを楽しむことができます。
コトネソプラノウクレレ(CS3S)
コトネは2017年に発足した島村楽器のウクレレブランド。
このウクレレは、コトネの「スタンダードシリーズ」になります。
ボディはアフリカ産のオバンコール合板で、軽やかでありながら粘りも感じられる音色が特徴です。
ウクレレといえばハワイアンコアやマホガニーという印象がある中で、一味違った音色が魅力といえます。
アヌエヌエソプラノウクレレ(aNN-K1)
ハワイ語で「虹」という意味のアヌエヌエは、台湾のウクレレブランド。
このウクレレはアヌエヌエのエントリーモデルです。
ボディはアカシア合板で、ハワイアンコアに似た音響特性を持ち、カラッとした抜けのある音色が特徴です。
ソプラノウクレレは、弦を玉止めしたタイプが多い中、弦をブリッジに結び付けるタイプになっています。
アヌエヌエミニコンサートウクレレ(aNN-MCK)
ソプラノより少し大きめのボディに、コンサートサイズのネックを取り付けたものです。
ソプラノウクレレは音量が小さく、音程(ピッチ)もずれてしまいがちですが、その部分を最適化するために開発されたのがミニコンサートシリーズ。
ボディはハワイアンコア合板で、キレの良いウクレレらしいサウンドが特徴です。
イリカイソプラノウクレレ(IL-SOP-150G)
イリカイはクロサワ楽器のウクレレブランドで、生産は中国で行われています。
イリカイはハワイ語で水平線、浜辺という意味があり、浜辺でリラックスしてウクレレを手にしてほしいという願いが込められています。
マーチンのヴィンテージウクレレのような形状が特徴。
ボディはマホガニー単板で、オール単板でお手頃価格というのも魅力です。
イリカイコンサートウクレレ(IL-CON-4MGG)
ボディはマホガニー単板で、丸みを帯びた柔らかな音色が特徴です。
グロス仕上げのツヤツヤとした表面も魅力です。
このシリーズはすべてオール単板で、他にマホガニーのソプラノ(IL-SOP-4MGG)、ハワイアンコアのソプラノ(IL-SOP-4KGG)、ハワイアンコアのコンサート(IL-CON-4KGG)があります。
レホコンサートウクレレ(LHUC-MM)
レホはハワイのウクレレブランドで、「ハワイの貝殻」という意味があります。
ボディはマホガニー合板です。
バックにふくらみがあることで、マホガニーの温かな音色にキレの良い明るさが加わったサウンドが特徴的。
ボディ外周にはバインディング(縁取り装飾)がされており、お洒落で高級感のあるルックスも魅力です。
ディーシーティーコンサートウクレレ(DUC-100M)
ディーシーティー(DCT)は Dreams Come True の略で、韓国のウクレレメーカーです。
ボディはマホガニー合板で、マホガニーの柔らかい音色とコンサートらしい音量、高音域でも大きめの音が響くのが特徴。
表面はつや消し仕上げになっており、シンプルなデザインの中に、ぬくもりの感じられる手触りが魅力です。
ディーシーティーコンサートウクレレ(DUC-152K)
ボディはコア合板です。
バックは若干カーブが入ったラウンドバック加工になっており、音の反響も考慮されています。
単板でないものの、コア材のカラッとした軽やかなサウンドとコンサートらしい音量、サスティーン(音の伸び)が特徴です。
サウンドホール周りにはアバロン貝の装飾がされており、キラキラと光るロゼッタも魅力です。
S.ヤイリコンサートウクレレ(YU-C-13MAS)
S.ヤイリは「矢入楽器製造」の流れを組むブランドです。
ボディはマホガニー単板で、エボニー材に近いツヤのある音色とコンサートらしいサスティーンが特徴です。
ヘッド部分は中抜きされたスロッテッドヘッドになっており、チューニングが安定しやすくなっています。
またペグは軽量タイプのものが取り付けられています。
ラニカイコンサートウクレレ(MA-C)
ラニカイはドイツの楽器メーカー、ホーナー社のウクレレブランドです。
ラニカイはハワイのオアフ島にあるビーチの名前で、ハワイ語で「天国の海」という意味です。
ボディはマホガニー合板です。
ワイドなネックで、手が大きい人でもコードが押さえやすいのが特徴的です。
ストラップピンが取り付けてあるので、すぐにストラップをつけて演奏を楽しむことができます。
カラコンサートウクレレ(KA-C)
カラは、ラニカイの立ち上げに貢献したマイク・アップトンが、カリフォルニア州で設立したブランドで、ラニカイの兄弟ブランドといえます。
ボディはマホガニー合板で、表面はつや消し塗装のサテン仕上げになっています。
クリーム・バインディングされた古風なデザインも魅力的。
ハワイブランドでないものの、アロハ魂が込められた品質とデザインが好評です。
コルドバコンサートウクレレ(U1)
コルドバは、スペインのフラメンコギター製造メーカーですが、ウクレレのラインナップも豊富。
U1シリーズは、“はじめての一本のためのウクレレ”として提案されました。
ボディはマホガニーで、バランスの良いウクレレらしいサウンドです。
伝統的なライトサテン仕上げ、サウンドホール周りのアバロンステッカーも人気スタイルとなっています。
コルドバコンサートウクレレ(15CM)
軽量で音の反応が良いコルドバのギタースタイルを採用しています。
ボディはマホガニーで、表面はサテン仕上げになっています。
ボディと指板周りはABS製のバインディング、サウンドホール周りはアバロン貝のロゼッタが施されています。
古風な中にもエレガントさを兼ね備えた、エントリーモデルにはない世界観を感じさせるルックスも特徴です。
オースティンコンサートウクレレ(AC100)
オースティンはアレア(AREA)傘下のウクレレブランドです。
ボディはハワイアンコア合板で、コアのカラッとしたサウンドの中に、全体を包み込むようなまろやかな音色があるのが特徴です。
ボディ周囲とサウンドホール周りにアバロン貝の装飾が施されています。
またチューニングが安定するスロッテッドヘッドになっています。
エルビスコンサートウクレレ(K100C)
エルビスも、アレア(AREA)傘下のウクレレブランドです。
ボディはハワイアンコアのHPL(高圧ラミネート)材です。
コアのカラッとしたキレの良さと、コロコロとした明るいサウンドが特徴です。
ヘッド部分はチューニングが安定するスロッテッドヘッドです。
「ELVIS」のロゴがインレイになっているところもこだわりのポイントです。
エンヤコンサートウクレレ(EUC-MS)
エンヤは中国のウクレレブランドで、ボディはマホガニー単板で、表面はつや消し塗装のサテン仕上げです。
柔らかくて粘りあるサウンドが特徴。
ブリッジ周りはボディの裏側で弦を止めるタイプになっています。
ヘッドの桜の花もおしゃれでルックスにこだわりを感じます。
ストラップピン付きで、すぐにストラップを取り付けて演奏ができます。
オルテガコンサートウクレレ(RFU11S)
オルテガはドイツのメーカーで、伝統的なギター製法を受け継いでいます。
オルテガのTIMBERシリーズは、様々な杢目が楽しめるシリーズ。
ボディはサペリ材で、マホガニーに似た甘い音色の中にきらびやかなしっかりとしたサウンドがあるのが特徴です。
表面はサテン仕上げで、落ち着いたルックスの中にネック周りのバインディングが印象的です。
ウクレレの弾き方
指の使い方
ウクレレはポロンポロンといったイメージがありますが、これは親指の腹の部分を使って上から下へ弦を撫でるように弾いています。
また人差し指の側面を使って弦に爪が当たるように弾く奏法もあり、ジャカジャカといった力強い音になります。
他には、親指・人差し指・中指・薬指を使って弦をはじくように弾く方法などがあります。
演奏スタイル
主な演奏スタイルに、伴奏を弾く「コード弾き」メロディーと伴奏を同時に弾く「ソロ弾き」があります。
初心者の人は「コード弾き」から入るとよいでしょう。
コード(和音)の押さえ方を覚えていくことで、いろいろな曲の伴奏が弾けるようになります。
「ソロ弾き」は少し難しい奏法なので、「コード弾き」に慣れてから始めるのがおすすめです。
エフェクターを使う
ピックアップ搭載のウクレレは、アンプに繋げれば大きな音で演奏することができます。
そのときにウクレレとアンプの間に繋げるものがエフェクターで、エコーをかけたり自分好みの音に調整することができます。
生の音でウクレレを楽しむ人、周辺機器にもこだわりながらウクレレを楽しむ人など、楽しみ方も人それぞれです。
まとめ
初心者におすすめのウクレレは「安すぎず高すぎず」「ソプラノかコンサート」「ギアペグ」そしてなんといっても自分自身が気に入ったものです。
はじめての1本に選ぶウクレレは、いろいろと迷いも出てきてしまうものですが、その時間もそのときにしか味わえないものとして、ぜひ楽しみながら選んでみてください。