テナーサックスというと、ジャズでの活躍を連想する人が多いのではないでしょうか。
テナーサックスでジャズを演奏するには、楽器本体の良しあしだけでなくマウスピース選びも重要です。
そこで今回は、特に「ジャズ」に最適な「テナーサックス用マウスピースおすすめ10選」についてご紹介していきます。
テナーサックス用マウスピースとは
マウスピースはサックスの演奏時に口にくわえる部分で、このマウスピースにリードを装着し、リードの振動で音が鳴ります。
つまり、マウスピースはリードの振動を楽器本体に伝える重要なパーツということです。
サックスの種類と同じく、マウスピースもソプラノ・アルト・テナー・バリトンの種類に合わせて大きさが違いますが、テナーサックス用のマウスピースは、ソプラノやアルトサックスよりもやや大きめ。
マウスピースの素材は、ジャズでは黒色のハードラバー(エボナイト)の他に、金属(メタル)も使われます。
テナーサックス用マウスピースにこだわるメリット
テナーサックス用マウスピースにこだわるメリットは下記の3つ。
- テナーサックス用の人気メーカーから選べる
- 伝説のジャズ奏者愛用モデルのテナーサックス用マウスピースを選べる
- テナーサックスのためだけに作られたマウスピースが豊富
テナーサックス用の人気メーカーから選べる
ジャズのテナーサックス用マウスピースは、アルトとは人気のメーカーが違います。
アルトなら「Meyer(メイヤー)」、テナーなら「OTTO LINK(オットーリンク)」が定番といわれるメーカーです。
アルトの人気メーカーだけでなく、ここで紹介するテナー用の人気マウスピースメーカーをチェックしてみてください。
テナーサックス用に力を入れているメーカーにこだわれば、良いテナーサックス用マウスピースに出会える可能性大です。
伝説のジャズ奏者愛用モデルのテナーサックス用マウスピースを選べる
「テナーサックスといえばジャズ!」と言われるほど、ジャズ界で活躍したテナーサックスプレイヤーが多く知られています。
- ジョン・コルトレーン
- レスター・ヤング
- デクスター・ゴードン
テナー用のマウスピースでは、昔の伝説的テナー奏者の愛用モデルを現在も製造しており、購入できる点が魅力。
名演奏を手本にレジェンドと同じモデルのマウスピースで演奏できるのは、テナーサックスのマウスピースならではのメリットです。
テナーサックスのためだけに作られたマウスピースが豊富
ジャズ向けのマウスピースの中には、「テナーサックス用しか生産されていない」モデルも多数存在します。
これは先ほどご紹介したように、伝説的なテナー奏者が愛用したモデルの「復刻版」やその派生モデルが、次々と製作されているためです。
ですからジャズを極めたいなら、「テナーサックス限定で生産された」マウスピースを探してみるのもおすすめです。
テナーサックス用マウスピースの選び方
実店舗で購入するのが最適
しっかりした有名メーカーのマウスピースでも、実は一つ一つ加工状態に若干の違いが見られることがあります。
残念ながら、中には新品でも「音が良くない」マウスピースも。
そのため、できるだけネットではなく、実際に楽器店で試奏をして、音色のよいものを購入するようにしましょう。
もしどうしてもネットショップで買うなら「選定品」となっているマウスピースを選びましょう。
ただし、選定品でも合う・合わないはあるので「外れでもやむなし」という気持ちで買うと、後悔が少ないでしょう。
ジャズ用は必ずしも「メタル製」でなくてもいい
ジャズのテナーサックス用マウスピースといえば、メタル(金属)製を思い浮かべる人も多いでしょう。
たしかにメタル製は見た目もかっこよく、パワフルな音色には憧れますよね。
ただ、ジャズのマウスピース選びは、必ずしもメタル製でなくてもよいのです。
現在ではハードラバー(エボナイト)製でジャズを演奏する人も多く、その艶やかでしっとりした音色も魅力的。
メタルにこだわらず、自分の鳴らしたい音に近づけるマウスピースを、ハードラバーも含めて探してみましょう。
マウスピースの構造をチェックする
テナーサックスの音は、マウスピースの材質だけでなくマウスピースの構造でも変わります。
ティップオープニング(マウスピース先端とリードの開き)が大きいとパワフルに、小さいと吹きやすくなる
チェンバー(マウスピースの空洞の容積)が広いと重みのある音色で、狭いと晴れやかな感じの音色になる
- 「フェイシング」(リードの先からマウスピースとリードが接する位置までの長さ)が短いと明るく長いとダークな音になる
マウスピースの構造や仕様は、製品紹介に数値で記載されています。
自分の求めるジャズサックスの「これだ!」という音色を作り出してくれる製品を、探してみましょう。
テナーサックス用マウスピースおすすめ10選
OTTO LINKコニサーシリーズ アーリーバビットEB(CLR-404-EB)
OTTO LINK(オットーリンク)は、アメリカで1930年代からマウスピースを製作。
長年トッププレイヤーに愛され、「テナーのマウスピースと言えばOTTO LINK」といわれるほど。
コニサ―シリーズのアーリーバビットEBは、ビンテージマウスピースの人気デザインを復刻したもの。
ハスキーな音色と明瞭なアタックを出せるのが特徴です。
OTTO LINKオリジナルメタル
OTTO LINKのジャズ用マウスピースの中では、定番といわれる金属製モデルで、金メッキの輝きが印象的。
あたたかく太い音の響きで、豊かな演奏を可能とします。
どの音域も安定して演奏でき、多才なジャズの奏法に対応しやすいモデルです。
「Super TONE MASTER」の刻印も特徴的でかっこいいですよ。
OTTO LINKフロリダモデル(メタル)
こちらのモデルは、テナーサックス用のマウスピースのみの生産です。
フロリダモデルのマウスピースは、オットーリンクの製造販売元「J.J.バビット社」の100周年を記念して作られました。
フロリダ期のサウンドを目指し、アメリカのプロプレイヤーと職人が年月をかけて開発したモデルで、本体に24K金メッキが使用されシリアルナンバーが入っています。
BERG LARSENラバーマウスピース 105/2SMS
BERG LARSEN(ベルグラーセン)は世界中のトップ奏者に愛されるメーカーで、ベルグラーセンの製品はティップオープニングなどの構造が異なる、たくさんの種類のものが用意されています。
このハードラバーシリーズは、深みのある音色にファンの多いモデル。
ベルグラーセンではメタル製マウスピースも人気で、テナーだけの限定生産モデルも多数販売中です。
H.SelmerSoloist(ソロイスト)
Selmer(セルマー)はサックス本体製造の老舗ブランドで、マウスピース製造の先駆け的存在です。
ソロイストは1960年代製造の有名なモデルを復刻したもの。
セルマーらしい安定した吹き心地と、芯がありながら美しい音色、あたたかい響きが魅力です。
チェンバーが馬蹄型なのが特徴で、いろんな演奏バリエーションに対応できます。
GottsuSepia Tone VI
Gottsu(ゴッツ)は2005年創業の日本のマウスピースメーカーで、創業者もサックス奏者です。
ジャズ黄金期の製品に感銘を受け、多数のビンテージモデルを開発しました。
今では世界から注文が相次ぐ人気となっています。
「Sepia Tone VI(セピアトーンヴイアイ)」は、Gottsuのスタンダードモデルで吹きやすく、ジャズに向く渋い音が人気です。
GottsuSepia Tone Master2021
Gottsuの「セピアトーン マスター2021」は、創業10周年だった2021年に作られたメタル素材のマウスピースです。
テナーサックスのプロジャズプレイヤー愛用のビンテージマウスピースを模範とし、Gottsuの技術を結集して製造。
ダークで厚い音色が、ジャズで演奏するのにぴったりです。
GottsuSepia Tone Jazz Metal
「Sepia Tone Jazz Metal」は、Gottsuのマウスピースのメタル製品でとても人気のモデルです。
ビンテージマウスピースの素材を調査し、当時のメタル素材に近いもので作られているというこだわりぶりがみられます。
太くダークな音色を出せる、ジャズに大変向いているマウスピースです。
VandorenV16(エボナイト製)
リードでも知られるメーカーVandoren(バンドレン)の、マウスピース「V16」シリーズ。
1950年代の、アメリカのマウスピースとサウンドにインスパイアされ作られた、ジャズの新しいスタンダードモデルです。
こちらはハードラバー(エボナイト)製のマウスピース。
フェイシングが長く、響きが豊かで、ジャズ以外にもいろんなジャンルで利用されます。
VandorenV16 Metal
テナー用のみ生産されている、バンドレンの「メタル製」のV16シリーズ。
24金メッキで表面が加工されており、表現豊かであたたかい音色が特徴です。
チェンバーは「S(スモール)・M(ミディアム)・L(ラージ)」の3種類から選べます。
Mは丸みを感じさせる音色、Lはビンテージらしい太い音色を楽しる仕様です。
テナーサックス用マウスピースの使い方
次に、テナーサックス用のマウスピースの使用方法を順番に確認しましょう。
- マウスピースにリガチャ―をセットする
- リードをセットしリガチャーのネジを締める
- リードの位置を調整する
マウスピースにリガチャーをセットする
まず、マウスピースに「リガチャー」という専用の金具をセットします。
(リガチャーも音質に大きく影響するので、マウスピースを購入する際に店員さんに相談しながら購入しましょう。)
マウスピースの表面に薄く線が記されているので、その線にリガチャーの上部がくるようにします。
あとからリードを固定するので、この時点ではリガチャーのネジは緩く締めておけば大丈夫です。
リードをセットしリガチャーのネジを締める
次にリードを口にふくみ、湿らせてからマウスピースとリガチャーの間の隙間に差し入れます。
リードを付ける時は、左右対称になるように。
またマウスピースの先端からリードを「髪1本分ずらして」セットし、リガチャーで固定しましょう。
リガチャーのネジは、きつく締めすぎるとリガチャーが破損することがあり、緩すぎてもリードが動いてしまいます。
ネジをしっかり締めた後、リードが動かない程度にややネジを戻す、くらいの感覚をつかむようにしましょう。
リードの位置を調整する
リガチャーを固定したら、あらためてリードの位置を確認します。
リードが斜めにずれていると、「リードミス」などの不快な音の発生につながってしまうので注意。
もしもずれていたら、直しましょう。
また先ほど「マウスピースの先端からリードを『髪1本分ずらして』セット」すると説明しましたが、これはあくまで目安です。
リードの位置次第で、人によっては吹きやすさや音色が若干変わるので、自分に合った位置を探ってみてくださいね。
まとめ
テナーサックス用のマウスピースは、特にジャズ向けの商品が多数あります。
テナーサックスのためだけに生産されている商品もあり、メーカー側も力を入れていることが分かりますね。
マウスピースを変えるだけでもいろいろな音色を楽しめるので、気になる商品があればぜひ試してみてください。
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